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下級裁

短期売買利益提供請求事件

判決データ

事件番号
令和4ワ13836
事件名
短期売買利益提供請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2023年12月6日

AI概要

【事案の概要】 本件は、東京証券取引所に上場する印刷関連機器等の製造販売会社である原告が、原告の主要株主である被告に対し、金融商品取引法(金商法)164条1項に基づき、短期売買利益約19億4342万円の提供を求めた事案である。被告は、訴外アジア開発キャピタル株式会社の完全子会社であり、同社と共同で原告の経営権取得を目的として原告株式の買付けを進めていた。被告は令和3年7月13日から同月20日にかけて信用取引により原告株式162万0100株を買い付け、発行済株式の32.72%を取得して主要株主となった。原告は同年8月に有事導入型買収防衛策を導入し、臨時株主総会での承認議案の付議を決議した。被告は同年9月6日、信用取引で買い建てていた原告株式162万0100株を売却(本件売付け)すると同時に、同一数量・同一金額で現物買い(本件現物買い)を行った(いわゆるクロス取引)。この背景には、証券金融会社が原告株式の貸借取引の申込停止措置を実施しており、信用買いの現引きができない状況にあったことがある。関東財務局長は被告に約19億4342万円の短期売買利益を得ていると認める利益関係書類の写しを送付し、原告がこれに基づき提供請求を行った。 【争点】 主な争点は、①本件売付けが金商法164条1項の「売付け等」に当たるか、②被告が本件売付けにより「利益を得た」といえるか、③本件売付けが平成14年最高裁判決のいう類型的適用除外取引に当たるか、④短期売買利益の額であった。被告は、本件売付けと本件現物買いは一体のクロス取引であり、取引前後で持株数に変化がないから「売付け等」に該当せず利益も得ていないと主張した。また、クロス取引は投資ポジションを変化させず個別的投資判断を伴わないため、類型的にみて秘密の不当利用が認められない取引に該当すると主張した。 【判旨】 裁判所は、原告の請求を全額認容した。まず争点①について、本件売付けと本件現物買いは法的には別個の取引であり、本件売付けは金銭を対価として株式の所有権を移転させるものであるから「売付け等」に当たると判断した。争点②については、短期売買利益の算定方法は内閣府令34条が定めており、被告の主張は同条とは異なる独自の算定方法に基づくものであるとして退けた。争点③が最大の争点であったが、裁判所は、クロス取引であっても信用買いの決済を行えば投資ポジションは変化しており、投資判断や内部情報の不正利用の余地があると指摘した。また、貸借取引の申込停止措置により現引きが不可能であった事情を考慮しても、本件取引は法的に強制されたものではなく行為者の意思で行われたものであるから、非任意の取引とはいえないとした。以上から、本件売付けは類型的適用除外取引に当たらないと結論づけ、約19億4342万円の短期売買利益の提供を命じた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。