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知財

特許権移転登録抹消登録請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和5ネ10058
事件名
特許権移転登録抹消登録請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2023年12月11日
裁判官
東海林保今井弘晃水野正則
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、「亜臨界水処理装置」に関する特許権(特許第6737561号)の移転登録抹消をめぐる控訴審事案である。被控訴人(日本有機物リサイクルプラント株式会社)は、自社が保有する本件特許権について、控訴人(G-8 INTERNATIONAL TRADING株式会社)に譲渡した事実はないにもかかわらず、不実の移転登録がされたと主張し、移転登録手続の抹消登録手続を求めた。 事案の背景として、被控訴人の実質的経営者であるBは、もともと控訴人の取締役として控訴人装置の販売業務に従事していたが、被控訴人を設立して本件特許権を取得した。控訴人がBの行動を把握した後、被控訴人の代表取締役であるAが、控訴人に対して本件特許権の無償譲渡を申し入れた。しかし、この譲渡は被控訴人の取締役会決議を経ておらず、Aが被控訴人代表者印を改印した上で譲渡証書に押印し、わずか数日のうちに移転登録申請が行われたものであった。被控訴人は譲渡の事実を否定する上申書を特許庁に提出したが、登録は完了した。原審は被控訴人の請求を認容し、控訴人が控訴した。 【争点】 主な争点は、①被控訴人の代表取締役Aによる本件特許権譲渡の意思表示がされたか、②控訴人が被控訴人の取締役会決議がないことを知り又は知ることができたか、の2点である。控訴人は、取締役会決議を経ない代表取締役の専決行為について民法93条1項ただし書の類推適用は不当であり、会社法349条5項を適用すべきと主張した。また、Aから「Bも了解しているし、社内手続も大丈夫だ」と説明を受けており、取締役会決議の不存在について善意であったと主張した。 【判旨】 知的財産高等裁判所は控訴を棄却した。裁判所は、昭和40年最高裁判決の判断枠組みに従い、代表取締役が取締役会決議を経ずにした取引行為は原則有効であるが、民法93条1項ただし書に準拠し、相手方が決議を経ていないことを知り又は知ることができた場合には無効となると判示した。 そして、控訴人代表者Dは、①本件特許権の譲渡に取締役会決議が必要であることを認識し、自らAに取締役会議事録の提出を要求していたこと、②にもかかわらず議事録の提出を受けないまま、Aとの譲渡の話からわずか4日間で移転登録申請を完了させるという異常な速さで手続を進めたこと、③競合他社に重要な特許権を無償譲渡することは通常あり得ないこと、④譲渡契約書が作成されていないこと、⑤Aが被控訴人代表者印を改印して押印するという不自然な経緯があること等を総合考慮し、Dは取締役会決議が存しないことを知っていた(悪意)と認定した。仮に会社法349条5項の適用を優先すべきとしても、Dが悪意である以上、結論は同様であるとして、本件特許権の譲渡は無効であると判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。