商標権侵害差止等請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 原告(ロボット関連商品の開発・販売会社)は、「Robot Shop」の標準文字からなる商標権を有していたところ、被告(カナダのRobot Shop Inc.の創始者が出資して設立した日本法人)が、被告の管理するウェブサイト、楽天市場及びアマゾンにおいて、「RobotShop」の文字に歯車様のデザイン等を施した標章を付してロボット関連商品を販売していた。原告は、被告の行為が本件商標権の侵害に当たるとして、商標法36条に基づく差止め及び損害賠償・不当利得返還として合計約1億3815万円の支払を求めた。 【争点】 (1) 被告の行為が指定役務・商品に係る被告標章の使用に当たるか、(2) 本件商標と被告標章の類似性、(3) 禁反言の原則により本件商標の効力が被告標章に及ぶか、(4) 商標法26条1項2号(普通名称等)の該当性、(5) 損害額、(6) 差止めの必要性。特に、原告が商標出願時にロボット関連商品を指定商品から削除した経緯を踏まえ、禁反言の原則の適用範囲が主要な争点となった。 【判旨】 裁判所は、一部認容・一部棄却の判決を下した。まず、被告が被告各サイトにおいて被告標章を付してコンピュータ等の指定商品に関する情報を電磁的方法により提供している点で商標法2条3項8号の使用に当たると認定した。一方、「ロボットの展示」の役務への使用は否定した。商標の類否については、本件商標と被告標章はいずれも「ロボットショップ」の称呼及び「ロボットの店」の観念が生じ、外観も少なくとも類似すると判断した。禁反言の原則については、原告が出願時にロボット関連の指定商品を削除した経緯に照らし、ドローン等の自律飛行が可能なロボット類似品に対する侵害主張は禁反言により許されないとした。商標法26条1項2号の適用は、被告標章にデザインが施されている点等から否定した。損害額については、商標法38条2項の適用を認めつつ、本件商標の自他商品識別力が弱く貢献度が限定的であること等を理由に推定覆滅割合を90%とし、損害賠償額約1131万円、不当利得額約250万円(使用料率2%)に弁護士費用を加えた合計約1519万円を認容した。