損害賠償等請求控訴、同附帯控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 本件は、白地に十字の図形からなる商標(本件商標)の商標権を有するスイスのアウトドアブランド「WENGER」(被控訴人)が、「SWISSWIN」ブランドのかばん類を販売するTRAVELPLUS INTERNATIONAL株式会社(控訴人)に対し、控訴人が使用する各標章が本件商標に類似するとして、商標法38条3項に基づく損害賠償として1億円を請求した事案の控訴審である。原審は1380万2425円の限度で請求を認容し、控訴人が敗訴部分を不服として控訴、被控訴人が残額について附帯控訴した。なお、前訴において、控訴人商品の販売差止め及び廃棄を命じる判決が既に確定している。 【争点】 主な争点は、①控訴人各標章と本件商標の類似性、②製品番号が「SW」又は「SN」で始まる商品に控訴人各標章が付されていたとの推認の当否、③同一製品番号の製品には同一の標章が付されているとの推認の当否、④相当使用料率(控訴人は2%、被控訴人は10%以上を主張)、⑤本件商標がスイス国旗に類似し商標法4条1項1号違反の無効理由があるかである。 【判旨】 知財高裁は、控訴・附帯控訴をいずれも棄却し、原判決を維持した。まず、製品番号に基づく推認について、被控訴人が提出した証拠により「SW」又は「SN」で始まる多数の商品に控訴人各標章が付されていると認められ、特段の事情がない限り控訴人各標章が付されていると推認することには合理性があるとした。控訴人が別標章の使用や並行輸入品の存在を主張したが、いずれも具体的立証を欠くとして排斥した。相当使用料率については、WENGERブランドがアーミーナイフにおいて世界的に著名であり控訴人がライセンスを受ける動機がないとはいえないこと等から、売上高の4%が相当と判断した。本件商標のスイス国旗類似の主張については、本件商標は略四角形に白色の外縁部分を有し地色が黒色である点でスイス国旗と形状・色彩が明らかに相違するとして退けた。また、ショッピングサイト上で「WENGERシリーズSWISSWIN」との表示があった事実は出所混同の発生を示すものと認定した。以上により、損害額1380万2425円とした原判決は相当であると結論付けた。