損害賠償請求控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 蛇口一体型浄水器及び交換用浄水カートリッジの製造販売を行う控訴人(株式会社タカギ)が、被控訴人グレイスランドらに対し、楽天市場及びアマゾンの各ウェブサイトにおける交換用カートリッジの広告に「タカギ社製」の表示(被告標章)を使用した行為が、控訴人の周知な商品等表示「タカギ」と類似する表示を用いて商品又は営業の混同を生じさせる不正競争防止法2条1項1号の不正競争行為に該当するとして、同法4条、民法709条・719条前段に基づき、損害賠償金1080万7500円等の連帯支払を求めた事案の控訴審である。原審(東京地裁)は、被告表示が控訴人製の純正品との混同を生じさせるとは認められないとして請求を棄却し、控訴人が控訴した。なお、控訴審では控訴人がGMOリサーチに委託して実施した需要者アンケート調査の結果が新たな証拠として提出された。 【争点】 主要な争点は、被控訴人グレイスランドが楽天市場の店舗サイト及びアマゾンの商品ページに「タカギ社製」を含む被告表示を掲載した行為が、控訴人の商品又は営業と「混同を生じさせる行為」に該当するか否かである。原告表示「タカギ」と被告標章「タカギ社製」の類似性自体は争いがなく、混同のおそれの有無が中心的争点となった。控訴人は需要者アンケート調査の結果を援用し、相当数の需要者が被告商品を控訴人製と誤認している旨主張した。一方、被控訴人らは、楽天サイトの「お買い求めの前に」欄やアマゾンサイトの「【ノーブランド品】」表示が打ち消し表示として機能し、混同は生じない旨主張した。 【判旨】 知財高裁は控訴を棄却した。楽天市場のサイトについては、「お買い求めの前に」欄の「純正カートリッジより浄水の流量が少ないですが、当社製品は…」との記載から、需要者は被告商品が控訴人製の純正カートリッジとは異なる商品であることを容易に理解でき、当該記載が打ち消し表示として機能すると判断した。アマゾンのサイトについては、商品ページに目立つ態様で「【ノーブランド品】タカギの浄水器に使用できる、取付け互換性のある交換用カートリッジ」と表示されており、「ノーブランド品」という表示は控訴人製の純正品とは異なる商品であることを示すものと需要者は理解するとして、打ち消し表示としての機能を認めた。控訴人提出のアンケート調査については、調査対象者が実際の需要者層と一致せず、提示画像も実際の画面と異なるため、需要者の認識を正確に反映したものとはいえないとして排斥した。