AI概要
【事案の概要】 本件は、中国国内で「花間堂」の名称により19店舗のホテルチェーンを運営する原告(中国法人)が、被告(中国遼寧省出身で平成6年以降日本在住の個人)による「花間堂」の文字を標準文字で表してなる商標(指定役務:第43類「宿泊施設の提供」等)の登録について、商標法4条1項10号・15号・19号・7号に該当するとして商標登録無効審判を請求したところ、特許庁が請求不成立の審決をしたため、原告がその取消しを求めた審決取消訴訟である。被告は、福井市内の「花堂」(ハナンドウ)という地区と京都市東山区の「三十三間堂」、及び「花が咲いている中」という意味の「花間」を踏まえて「花間堂」を考案したものであり、中国の同名ホテルチェーンの存在すら知らなかったと主張していた。 【争点】 主な争点は、(1)引用商標(原告が中国で使用する「花間堂」商標)の日本国内における周知性の有無(10号該当性)、(2)出所混同のおそれの有無(15号該当性)、(3)被告の不正目的の有無(19号該当性)、(4)公序良俗違反の有無(7号該当性)である。原告は、日本語のブログ記事やTripAdvisor上の口コミ、中国語の記事等を証拠として引用商標の周知性を主張した。 【判旨】 裁判所は、原告の請求を棄却した。まず10号該当性について、原告提出の日本語のブログ記事等は多数の者が閲読したとはいえない体裁のものであり、中国語で記載された記事から日本国内における周知性を認めることは到底できないとした。さらに、海外旅行取扱額上位4社のホームページ上で「花間堂」の該当がなかった調査結果も踏まえ、引用商標は日本の需要者の間で周知であったとはいえないと判断した。15号該当性についても、引用商標の周知性が認められない以上、出所混同のおそれはないとした。19号該当性については、仮に中国における周知性が認められると仮定しても、被告が来日後長年日本に居住し旅程管理の資格を取得した上で出願したこと、商標名の選択理由を具体的に陳述していること等から、不正目的は認め難いとした。7号該当性についても、引用商標の周知性や不正目的が認められない以上、公序良俗違反には当たらないと結論づけた。