都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3141 件の口コミ
下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
令和2ワ940
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
福岡地方裁判所
裁判年月日
2022年1月20日
裁判官
植田智彦福本晶奈鈴木美香

AI概要

【事案の概要】 福岡県立高校の硬式野球部に所属していた原告が、部活動の打撃練習中に打撃投手を務めていたところ、打者が打ち返した硬球が右側頭部に直撃し、外傷性くも膜下出血・脳挫傷等の傷害を負い、右側感音性難聴及び内耳機能障害等の後遺障害(障害等級11級6号相当)が残った事案である。高野連は打撃練習時に投手用ヘッドギアの着用を義務付けていたが、顧問のB教諭は指導者必携の記載を見落とし、同義務の存在自体を認識しておらず、部にヘッドギアが存在しなかった。しかも本件練習では投手・打者間の距離が公式規定の18.44mより短い約15mに設定されており、L字ネットだけでは打球を回避できないリスクが高まっていた。原告は国家賠償法1条1項に基づき、被告(福岡県)に対して約2492万円の損害賠償を請求した。 【争点】 主な争点は、①B教諭の職務行為の違法性(安全配慮義務違反)の有無、②過失相殺の適否、③損害額である。被告は、B教諭がL字ネット後方の適切な位置から投球するよう指導していたにもかかわらず原告がこれに従わなかったとして過失相殺を主張した。また、原告が事故後も野球部の練習・試合に復帰し学校生活を問題なく送っていたことを根拠に、逸失利益の発生や後遺障害慰謝料の増額を争った。 【判旨】 裁判所は、高校の部活動指導者は生徒の生命・身体の安全に配慮すべき義務を負うとした上で、高野連がヘッドギア着用を義務付けている趣旨に照らし、B教諭には打撃投手にヘッドギアを着用させるべき職務上の注意義務があったと認定した。B教諭が指導者必携の記載を確認せず同義務を怠った過失は重大であるとし、違法性を肯定した。過失相殺については、約15mという短距離での打撃練習ではL字ネットだけでは打球回避が困難であり、ヘッドギアさえ着用していれば事故は防げたこと、教諭の過失の重大性を考慮し、原告のL字ネット退避の遅れを考慮しても過失相殺は相当でないとして否定した。損害額については、原告が大学に進学していることから基礎収入を大卒男性平均賃金とし、右耳聴力喪失によるコミュニケーション支障や職業選択の制限を認め、労働能力喪失率20%を採用した。後遺障害慰謝料はてんかん発作の可能性について増額事由とせず420万円とした。結論として約2261万円を認容した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。