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下級裁

殺人被告事件

判決データ

事件番号
令和3わ657
事件名
殺人被告事件
裁判所
札幌地方裁判所
裁判年月日
2022年1月28日
裁判官
井下田英樹山下智史後藤紺

AI概要

【事案の概要】 本件は、被告人が、うつ病による心神耗弱の状態で、アルツハイマー型認知症と診断された妻である被害者との心中を決意し、被害者を殺害したという殺人の事案である。被告人は、長女及び長男からの支援や十分な貯蓄・年金収入があったにもかかわらず、うつ病に起因する貧困妄想等の微小妄想を抱いて将来を極度に悲観し、自ら又は被害者の一方のみが生き残れば周囲に迷惑を掛けるなどと考え、被害者との心中を企図するようになった。被告人は、目の手術を契機にうつ病が重症化して幻聴や幻視等の精神病症状も発症する中、令和3年7月11日早朝、心中を固く決意し、自宅において、被害者の頸部を腕及びロープで絞め付けるなどの暴行を加え、頸部圧迫による窒息により死亡させた。裁判員裁判として審理された本件では、被告人の責任能力が主要な争点となり、犯行当時心神耗弱の状態にあったと認定された。刑法39条2項は、心神耗弱者の行為についてその刑を減軽する旨を定めており、精神の障害により行為の是非善悪を弁別する能力又はその弁別に従って行動する能力が著しく減退した状態が心神耗弱に該当する。 【量刑の理由】 裁判所は、犯行態様について、激しく抵抗して階下に逃げる被害者を捕まえて引き倒した上で首を腕やロープで絞め付け、さらに顔を体重をかけて踏みつけたものであり、強固な殺意に基づく執拗かつ悪質なものと評価した。また、認知症の病状が軽く生活の質を保っていた被害者の生命を無理やり奪った結果は極めて重大であるとした。他方、被告人が重症のうつ病により貧困妄想等から将来を極度に悲観し、心中するしかないという著しく狭められた思考にとらわれて犯行に及んだことから、強く非難することまではできないとした。その上で、犯行動機が心中であること、配偶者に対する殺人の単独犯1件という事案の量刑傾向も踏まえ、執行猶予を付すことが検討される事案であるとした。一般情状として、被告人が事実を認めて反省していること、被害者と被告人の長男が厳罰を望まず支援の意向を示していること、高齢でうつ病の治療の必要があり受入病院が確保されていること、前科がなく再犯の可能性も低いことを考慮し、心神耗弱による法律上の減軽をした上で、求刑懲役5年に対し懲役3年・執行猶予5年を言い渡した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。