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下級裁

道路交通法違反被告事件

判決データ

事件番号
令和2わ188
事件名
道路交通法違反被告事件
裁判所
福岡地方裁判所
裁判年月日
2022年1月31日

AI概要

【事案の概要】 被告人は、平成27年1月1日午前5時頃、福岡県宮若市内の高速道路上において普通乗用自動車を運転中、先行する別件単独事故(横転事故)により車外に放出されて追越車線上に仰臥していた被害者A及び同人を救護するため中腰でかがんでいた被害者Bに自車を衝突等させ、両名をいずれも心臓破裂による失血で死亡させる交通事故を起こしながら、直ちに車両を停止して救護等の措置を講じなかったとして、道路交通法72条1項前段の救護義務違反罪で起訴された事案である。なお、報告義務違反罪については事故発生から起訴まで5年以上が経過し、既に3年の公訴時効が完成していた。当時は臨時速度規制下で最高速度が時速80キロメートルに引き下げられ、自動車のライトがなければ周囲をほとんど視認できない暗闇の状況にあった。 【争点】 救護義務違反罪の成立に必要な被告人の故意、すなわち自己の運転により人を死傷させたこと又はその可能性の認識(未必的認識を含む)の有無が主たる争点となった。検察官は、被告人が路肩の停車車両や横転車を視認していたことから被害者らの存在も認識し得たと主張した。これに対し弁護人は、被告人が事故直後に自ら110番通報し、一貫して「対物事故を起こしたと思っていた」と供述していることを踏まえ、高速道路上に人が仰臥・中腰でいる可能性を認識できる状況になかったと反論した。併せて、被告人車がAに接触した時点で既に同人が死亡していた可能性も指摘された。 【判旨】 裁判所は、被告人車がAを轢過(タイヤで乗り越えて轢く)したのではなく轢跨(左右タイヤの間で跨ぐように通過)したと認定し、Aの損傷にはほぼ全てに生活反応があることから轢跨時点での生存を認めた上で、故意の有無を詳細に検討した。まず衝突直前の認識について、被告人は暗闘の中、前方車両の急な車線変更により横転車との衝突回避を迫られるごく短時間のうちに本件衝突に至っており、高速道路上で人が仰臥・中腰という極めて想定し難い姿勢でいたことも踏まえると、人の存在を視認・識別し得る状況になかったと判断した。路肩にいた目撃者C・E・Fでさえ倒れたAを人とは即座に認識できなかった事実も重視された。次に衝突後の認識について、衝撃の強さや異質性は対人衝突可能性の認識を推認させる方向に働くとしつつも、対人衝突可能性の認識に至るには衝撃異質性の自覚、対象異質性の認識、対人衝突可能性の認識という複数の推認過程を経る必要があり、その推認を重ねることは困難とした。被告人が約11キロメートル先のコンビニエンスストアで車両損傷を確認し速やかに110番通報した経過も、対人衝突可能性を認識していなかったことと整合すると評価し、未必的認識の限りにおいても故意を認めるに足りないとして、被告人に無罪を言い渡した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。