特許権侵害差止請求控訴事件
判決データ
- 事件番号
- 令和2ネ10059
- 事件名
- 特許権侵害差止請求控訴事件
- 裁判所
- 知的財産高等裁判所
- 裁判年月日
- 2022年2月9日
- 裁判官
- 本多知成、浅井憲、勝又来未子
- 原審裁判所
- 東京地方裁判所
AI概要
【事案の概要】 本件は、「エクオール含有抽出物及びその製造方法」に関する物の製造方法の特許権(特許第6275313号)を有する控訴人(大塚製薬株式会社)が、被控訴人ダイセル(株式会社ダイセル)が実施する方法(被控訴人方法)が本件特許発明の技術的範囲に属するとして、被控訴人ダイセルに対し被控訴人原料の生産・譲渡等の差止め及び廃棄を、被控訴人AMC(株式会社アドバンスト・メディカル・ケア)に対し被控訴人製品の生産・譲渡等の差止め及び廃棄を、それぞれ求めた特許権侵害差止請求控訴事件である。原審は、被控訴人方法におけるアルギニンの混合時期が本件発明の要件を満たさないとして控訴人の請求を棄却した。控訴審では、本件訂正を認める審決が確定したため、控訴人は本件訂正発明に基づく請求のみを主張し、均等侵害の主張も追加した。 【争点】 主な争点は多岐にわたるが、中心的争点として、(1)被控訴人方法におけるアルギニンを含む培養液が構成要件B'−1の「アルギニンを含む発酵原料」に当たるか(争点1−6)、(2)均等侵害の成否(争点2)、(3)無効の抗弁の成否(新規性・進歩性、実施可能要件、サポート要件等)がある。 【判旨】 知財高裁は、原判決を取り消し、控訴人の主位的請求を認容した。裁判所は、本件訂正発明の構成要件B'−1の「発酵原料」について、発酵に供される原料の全部をあらかじめ調製しておく場合に限定されず、発酵処理の過程で発酵原料の一部を順次添加する場合も含むと解釈した。被控訴人方法ではアルギニンが発酵処理工程で培養液に添加されるが、これも「アルギニンを含む発酵原料を調製」する行為に該当するとして、構成要件の充足を認めた。また、被控訴人らの無効の抗弁(新規性欠如、進歩性欠如、実施可能要件違反、サポート要件違反等)についてはいずれも排斥し、本件訂正発明は有効であると判断した。被控訴人AMCについては既に製造・販売を取りやめていたが、差止めの必要性を肯定した。