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下級裁

現住建造物等放火未遂被告事件

判決データ

事件番号
令和3わ686
事件名
現住建造物等放火未遂被告事件
裁判所
札幌地方裁判所
裁判年月日
2022年2月10日
裁判官
中川正隆牛島武人豊富育

AI概要

【事案の概要】 被告人は、令和3年8月中旬頃から、知人の紹介で北海道内の勤務先で建築作業員として稼働し、他の作業員2名が現に住居として使用する札幌市内のマンション(鉄筋コンクリート造4階建)の一室で暮らしていた。被告人は、パチンコをしないという知人や勤務先社長との約束を破り、前借りした給与をパチンコで費消してしまったことへの自己嫌悪に加え、先輩の厳しい指導や慣れない仕事への嫌気、実父との関係から実家に戻れない状況が重なり、同年9月13日頃から死にたいと考えるようになった。そこで被告人は、死ぬために上記居室に放火しようと考え、同月16日午後6時頃から午後7時4分頃までの間に、居室の居間床面等に灯油をまいた上、灯油が染みこんだ雑誌に火のついたたばこを押し付けて点火し、同雑誌を床面に放り投げて火を放った。しかし、通報により臨場した消防隊員に消火されたため、居間の床面等を焦がしたにとどまり(焦げた範囲は約3平方メートル)、放火の目的を遂げなかった。負傷者はいなかった。罪名は現住建造物等放火未遂(刑法112条、108条)である。 【判旨(量刑)】 裁判所は、以下の事情を考慮し、被告人を懲役3年・執行猶予4年(保護観察付き)に処した。 犯行の危険性については、灯油を用いた放火であり、居室内が広く燃えて他の住人の財産等にも大きな被害をもたらした可能性があることから、軽く見ることはできないとした。もっとも、客観的には本件居室が鉄筋コンクリート造の耐火性の強い建物であること、まかれた灯油の量が少なかったことから、火の勢いは消防隊員が短時間で消火できるものであり、危険性の高いものであったとまではいえないとした。実際に放火は未遂に終わり、負傷者もいなかった。 犯行の経緯・動機については、被告人が現実から逃れるようにして死にたいと考え、突発的に居室に火を放つ方法を選択したものであるとした。原因となったギャンブル依存症の問題については、自ら改善する機会があったことから被告人のために大きく酌むことはできないが、抑うつ気分を伴う適応障害等の被告人自身では制御しづらい精神障害が犯行動機の形成に一定程度影響を与えていることを考慮すると、強く責められないとした。 以上から、自殺目的の現住建造物等放火未遂の事案の中で、実刑を選択するほど特に重いものとはいえない一方、懲役3年を下回るほど軽いものともいえないとして、前科のない被告人に懲役3年・執行猶予4年を言い渡した。さらに、居住先や就労先の確保、家族による支援の在り方、継続的な医療的支援の確保等について専門家による指導や援助が必要な状況にあるとして、保護観察に付した(求刑:懲役4年)。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。