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知財

手続却下処分取消請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和3行コ10003
事件名
手続却下処分取消請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2022年2月24日
裁判官
東海林保上田卓哉中平健
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、特許協力条約(PCT)に基づく国際特許出願の出願人である控訴人(米国法人オプティパルス・インコーポレイテッド)が、特許法184条の4第1項所定の国内書面提出期間内に明細書等の日本語翻訳文を提出できず、国際特許出願を取り下げたものとみなされたことについて、同条第4項所定の「正当な理由」があるとして、翻訳文の提出手続を却下した特許庁長官の処分の取消しを求めた行政訴訟の控訴審である。 控訴人の米国代理人事務所では、パラリーガルが期限通知メールを作成し、担当弁護士がレビューするダブルチェック体制がとられていた。最初の期限通知メールには正しい期限が記載されていたが、その後、担当弁護士が控訴人の利益のため、通常の実務とは異なり、国内移行手続の費用見積りを30か月の国と31か月の国に分けて用意することとした。この過程で担当パラリーガルが日本の特許事務所に見積りを問い合わせた際、日本の国内移行手続の期限の日付計算を誤り、その誤った期限が控訴人への通知メールにそのまま引き継がれた結果、控訴人は日本における国内移行手続の期限を徒過した。原審(東京地裁)は控訴人の請求を棄却し、控訴人が控訴した。 【争点】 特許法184条の4第4項の「正当な理由」の解釈と、控訴人側が国内書面提出期間内に翻訳文を提出できなかったことについて「相当な注意」を尽くしていたといえるかが争点となった。控訴人は、同条項は特許法条約(PLT)の「Due Care」基準を採用したものであり、欧州特許庁(EPO)の実務に倣い、期限管理システムが有効に機能している下での人為的ミスは救済すべきであると主張した。また、費用見積り過程で偶発的に生じた予期し難い誤りであり、ダブルチェック体制の範囲外の事象であったとも主張した。 【判旨】 知財高裁は控訴を棄却した。まず、法184条の4第4項の「正当な理由」の解釈について、同条項がPLT12条に整合した救済手続として新設された経緯から柔軟な救済を図る目的があるとしつつも、①国際特許出願制度を利用する出願人には自己責任で期間内に翻訳文を提出することが求められること、②取下げとみなされた出願の権利回復を無制限に認めると第三者に過大な監視負担をかけることを考慮し、「正当な理由」の解釈を一概に緩やかにすべきとはいえないと判示した。 次に、相当な注意を尽くしていたかについて、本件では費用見積りを30か月の国と31か月の国に分けて用意するという通常と異なる取扱いをした以上、その異なる部分について通常以上に入念なチェックが必要であったと指摘した。本件メール案には国ごとに異なる期限が表示されており、各国の期限に誤りがないか点検することは容易であったにもかかわらず、ダブルチェック等による入念な点検は行われなかったとした。また、日本の特許事務所への見積り問い合わせメールに記載された誤った期限は本文ではなく「Re:」欄に表示されていたにとどまり、同事務所が誤りを指摘しなかったことをもって正しいことが確認されたとは認められないとした。以上から、控訴人が相当な注意を尽くしていたとは認められず、「正当な理由」も特段の事情も認められないと結論づけた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。