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下級裁

殺人

判決データ

事件番号
令和3わ144
事件名
殺人
裁判所
那覇地方裁判所
裁判年月日
2022年2月24日
裁判官
小野裕信坂本辰仁山本隼人

AI概要

【事案の概要】 被告人は、夫と長男(当時5歳)・次男(当時3歳)の4人家族で、沖縄県宮古島市に居住していた。長男には1年半程度の発達の遅れがあり、被告人と夫は小学校入学に際して通常学級か特別支援学級かで悩んでいたが、学校側の説明を受けて悩みは一応解消されていた。その後、夫が島外出張中で被告人が子らと3人で生活していたところ、新型コロナウイルスの影響で子らが自宅待機となり、被告人は仕事を休んで終日子らの世話をする状況が続いた。犯行前日、長男が卵を床に落とした際に「僕は駄目なんだ」と自らを卑下する発言をしたことから、被告人は長男に自分自身の姿を重ね合わせ、子らと3人で無理心中をしたいという衝動に駆られた。犯行当日、被告人はまず解熱鎮痛剤を砕いてプロテインに混ぜた団子を作り子らに食べさせようとしたが失敗し、その後、風呂場で長男の頸部をベルトで絞め付けて窒息死させ、続いて物置部屋で次男の頸部を洗濯ロープで絞め付けて窒息死させた。被告人は犯行後、子らに服を着せて布団に寝かせ、数時間後に自ら110番通報し、緊急逮捕された。 【争点】 本件の争点は被告人の責任能力である。被告人が犯行時に自閉スペクトラム症特性及び抑うつ障害を有していたことを前提に、弁護人はこれらの影響により行動制御能力が失われていた(心神喪失)と主張し、検察官は行動制御能力が著しく減退していたにとどまる(心神耗弱)と主張した。検察官は、解熱鎮痛剤を砕いてプロテインに混ぜるという複雑な作業ができていたこと、犯行前後に夫や職場とLINEでやり取りしていたこと、犯行後に自ら通報したことなどを根拠に、完全な行動制御能力の喪失には至っていなかったと主張した。 【判旨】 裁判所は、被告人が犯行時に心神喪失の状態にあったとの合理的な疑いが残ると判断し、無罪を言い渡した。精神鑑定を行ったA医師は、被告人には軽度の自閉スペクトラム症特性と特定不能の抑うつ障害が併発しており、自閉スペクトラム症特性由来の認知の歪みが抑うつ障害によって加重されて極端な視野狭窄に陥り、病的な衝動性の亢進が犯行に強く影響したと証言した。裁判所は、進学の悩みが解消し夫の帰宅も間近であった状況下で、長男の一言をきっかけに無理心中を決意し翌日実行に移した動機形成過程には、抑うつ障害の影響を介さなければ説明困難な飛躍があると指摘した。また、犯行直後に次男を洗濯ロープで吊るすなどの行為は、愛情をもって子らを養育していた被告人の平素の人格とは大きく乖離した極めて異常なものであり、衝動性に支配されていたことを強くうかがわせるとした。検察官が指摘する解熱鎮痛剤による無理心中の試みについても、致死性が低い解熱鎮痛剤を自殺手段に選んだこと自体が現実検討能力の低下を示すものであり、行動制御能力の存在を推認させるものではないと判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。