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知財

特許取消決定取消請求事件

判決データ

事件番号
令和3行ケ10053
事件名
特許取消決定取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2022年3月1日
裁判官
大鷹一郎小林康彦小川卓逸

AI概要

【事案の概要】 原告(アテナ工業株式会社)は、「電子レンジ加熱食品用容器の製法」に関する特許(特許第6538225号)の権利者である。本件特許は、電子レンジ用食品容器の蓋にレーザー光線を照射して幅0.15〜1.0mmの排気長孔を複数穿設し、排気長孔群からなる排気部を形成する製法に関するものである。この製法により、水蒸気の排気と異物混入の抑制を一つの構成で同時に実現し、排気部を被覆する別部材を不要とすることを特徴とする。 特許異議の申立てを受けた特許庁は、本件発明は引用文献1(即席食品入り容器に関する公報)に記載された発明、引用文献5(レーザー加工によるプラスチック構造体の製造方法に関する公報)に記載された事項及び周知の事項に基づいて当業者が容易に発明できたものであるとして、本件特許を取り消す決定をした。原告はこの取消決定の取消しを求めて本件訴訟を提起した。 【争点】 主な争点は、①引用文献1を主引用例とする進歩性の判断の誤り(相違点1及び相違点2の容易想到性)、②手続違背の有無である。 相違点1は、本件発明がレーザー光線の照射により幅0.15〜1.0mmの排気長孔を複数穿設して排気長孔群からなる排気部を形成するのに対し、引用発明では小孔の形状や形成方法が特定されていない点である。相違点2は、本件発明の蓋体部が異物混入を抑制する排気部を被覆する部材なしに形成されているのに対し、引用発明ではこの点が特定されていない点である。 原告は、本件発明と引用発明は解決課題及び技術思想が異なり、引用発明は「異物混入抑制」という課題を有しないから、引用発明から本件発明の構成に想到することはできないと主張した。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、原告の請求を棄却した。 相違点1について、裁判所は、引用文献1には小孔の形状を特定の形状に限定する記載や示唆はなく、小孔を形成する具体的方法の記載もないのに対し、引用文献5にはプラスチックに微小孔部を容易に形成できる製造方法の記載があることから、引用文献1の容器の蓋の小孔を容易に形成するために引用文献5のレーザー加工方法を採用する動機付けがあると認定した。そして、引用文献1の実施例の開孔面積の合計(約64.24mm²)を踏まえ、長孔の幅を200μm以下に設定して排気長孔群からなる排気部の構成とすることは容易に想到できたと判断した。 相違点2について、裁判所は、孔の大きさを1mm以下とすれば異物混入を抑制できることは周知であったと認定し、長孔の幅を200μm以下に設定した構成は孔の大きさが1mm以下となるから、異物混入防止のために小孔を被覆する部材を備える必要がないことは自明であると判断した。なお、本件決定が引用発明の小孔自体が異物混入を抑制するものであるとした論理付けは不十分であり誤りがあるとしたが、結論に影響を及ぼすものではないとした。 手続違背の主張についても、甲9及び10は容易想到性の判断の論理付けにおいて適用されたものではなく、原告の意見書に対する応答として示されたにすぎないとして排斥した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。