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下級裁

助成金不交付決定処分取消請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和3行コ180
事件名
助成金不交付決定処分取消請求控訴事件
裁判所
東京高等裁判所
裁判年月日
2022年3月3日
裁判官
足立哲堀田次郎富澤賢一郎
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 映画製作会社である被控訴人(原告)は、劇映画「宮本から君へ」の製作事業について、独立行政法人日本芸術文化振興会(控訴人)の理事長に対し、文化芸術振興費補助金による助成金の交付を要望した。専門委員会等による芸術的観点からの審査を経て、平成31年3月に助成金1000万円の交付内定を受け、交付申請を行った。しかし、本件映画に出演していた俳優が麻薬取締法違反(コカインの自己使用)の罪で有罪判決を受けたことから、控訴人理事長は令和元年7月、「公益性の観点から適当ではない」として助成金を交付しない旨の処分(本件処分)をした。原審(東京地裁)は、本件処分は控訴人理事長の裁量権の範囲を逸脱・濫用した違法な処分であるとして取り消したため、控訴人が控訴した。 【争点】 主な争点は、(1)助成金の交付・不交付に関する控訴人理事長の裁量の範囲、(2)本件処分が裁量権の逸脱・濫用に当たるか、(3)専門家による審査を経た交付内定後に芸術的観点以外の理由で不交付とすることの可否、(4)基金運営委員会の再度の審査を経ていないことが手続的瑕疵に当たるか、(5)文化芸術助成における「内容不関与の原則」との関係である。被控訴人は、交付内定は専門家の芸術的知見に基づくものであり、理事長の裁量の幅は狭く解すべきであると主張した。控訴人は、助成金が国民の税金を原資とする任意的補助金であり、薬物乱用防止という公益の観点も考慮すべきであるから、理事長には広い裁量があると主張した。 【判旨】 東京高裁は原判決を取り消し、被控訴人の請求を棄却した。まず、本件助成金は国民の税金を原資とする恩恵的な任意的補助金であり、振興会法に交付の具体的要件の定めがないことから、交付・不交付の判断は控訴人理事長の合理的裁量に委ねられているとした。本件要綱は振興会法等の法令に根拠を持たない内部的手続細則にとどまり、交付内定により助成金の交付請求権が発生するものではないとした。その上で、控訴人理事長は、芸術的観点からの専門家の知見を十分尊重すべきではあるものの、公益性の観点(芸術的観点以外の観点)から助成金を交付することが不適当と認めたときは不交付決定をすることができると判示した。本件では、出演者が重要な役を演じていること、著名人の薬物犯罪として広く報道されたこと、薬物乱用が深刻な社会問題であること等を踏まえ、助成金を交付すれば「国は薬物犯罪に寛容である」との誤ったメッセージを発したと受け取られるおそれがあるとする理事長の判断は、裁量権の逸脱・濫用には当たらず適法であるとした。内容不関与の原則違反や手続的瑕疵の主張もいずれも排斥された。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。