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下級裁

金融商品取引法違反

判決データ

事件番号
平成30特わ3350
事件名
金融商品取引法違反
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2022年3月3日

AI概要

【事案の概要】 本件は、大手自動車メーカーである被告会社(A株式会社)の代表取締役等であったC(分離前の相被告人)が、自己の役員報酬額を有価証券報告書に過少に記載して提出したという金融商品取引法違反(虚偽記載有価証券報告書提出罪)の事案である。平成22年(2010年)に役員報酬個別開示制度が導入されたことを契機に、Cは、フランス政府等から高額報酬を問題視されて地位を失うことを恐れ、実際に支払を受けた報酬額のみを有価証券報告書に記載する一方、未払となっている報酬額を秘書室長のDに管理させ、被告人B(被告会社の代表取締役)に別名目での支払方法を検討させていた。7連結会計年度の合計で約83億4400万円もの報酬が開示されなかった。被告人Bは、C及びDとの共謀により、平成29年度の有価証券報告書について虚偽記載の共同正犯として起訴されたほか、それ以前の年度についても起訴された。なお、D及び事件関係者Eは検察官との間で刑事免責の協議・合意(いわゆる日本版司法取引)を行い、不起訴処分を受けた。 【争点】 主な争点は、(1)Cの開示すべき未払報酬の存否、(2)CとDとの共謀の有無(虚偽記載有価証券報告書提出罪の成否)、(3)被告人BとC及びDとの共謀の有無の3点であり、特に(3)が最大の争点であった。被告人Bの弁護人は、金商法上の開示義務を発生させるような未払報酬に関する決定は存在せず、仮にCとDの共謀があったとしても被告人Bとの共謀はないと主張した。検察官は、協議・合意に基づくD及びEの供述を主要な証拠として被告人Bの認識と共謀を立証しようとした。 【判旨(量刑)】 裁判所は、(1)Cには開示すべき未払報酬が存在し、(2)CとDとの間に虚偽記載有価証券報告書提出についての共謀が認められるとした上で、(3)被告人Bの共謀については、協議・合意当事者であるD及びEの供述の信用性を慎重に検討した。裁判所は、司法取引当事者の供述には検察官の意向に沿う危険性や共犯者供述の危険性があるとして、客観的証拠による裏付けの有無を重視する姿勢を示した。その結果、平成29年度については被告人Bの共謀を認定したが、それ以前の平成22年度から平成28年度については、被告人BがCの報酬の「shortfall」(不足分)を開示すべき未払報酬として認識していたとは認められないとして無罪を言い渡した。量刑については、被告会社に対し求刑どおり罰金2億円を科し、被告人Bに対しては求刑懲役2年に対し懲役6月・執行猶予3年とした。裁判所は、本件がCの私利私欲に基づく犯行であり、役員報酬個別開示制度に真っ向から挑戦する同種事案中最も悪質な部類の事案であると指摘しつつ、被告人Bについては有罪が1年度のみであること、直接的な利得がなかったこと等を考慮した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。