公園区域除外処分差止請求事件、公園区域除外処分取消請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 昭和42年から入居が開始された大規模ニュータウン内に昭和46年に開設された面積約8haの都市公園(地区公園)について、公園管理者である被告市が、大学医学部及び附属病院等の誘致のため、公園の一部(約5.1ha)を都市公園区域から除外する変更処分を行った。被告市は、ニュータウンの人口減少・高齢化に対応するため、平成22年に再生指針、平成23年に駅前地域活性化ビジョンを策定し、平成26年に大学及び大阪府との間で基本協定を締結した上、令和元年7月に都市計画変更を行い、同年10月に本件変更処分をした。代替公園として、廃止部分から約500mの場所に面積約5.5haの新公園の設置が計画された。公園周辺に居住する原告ら17名が、本件変更処分は都市公園法16条に違反してみだりに都市公園を廃止するものであるなどと主張し、処分の取消しを求めた。 【争点】 (1) 原告らに本件変更処分の取消訴訟の原告適格があるか(本案前の争点) (2) 本件変更処分が都市公園法16条2号の「廃止される都市公園に代わるべき都市公園が設置される場合」の要件を満たすか (3) 本件変更処分が都市計画法16条、17条及び19条の定める手続を経たものであるか 【判旨】 裁判所は、原告適格について、都市公園法16条の規定は、防火・避難等に関する機能が確保された都市公園の存続が阻害されることにより、災害発生時に生命又は身体に著しい被害を直接的に受けるおそれのある住民に対し、その被害を免れる利益を個別的利益として保護する趣旨を含むと判示した。原告らは公園から約300m以内に居住し、災害時に公園を避難場所又は避難経路として利用する蓋然性が客観的に高いとして、原告適格を認めた。他方、都市公園を自由に利用する利益や緑道を通行する利益は、一般的公益の中に吸収解消される反射的利益にとどまるとして、これらの利益に基づく原告適格は否定した。 実体面では、代替公園の面積が廃止部分と同等であること、緑地や遊具等の設置が計画されていること等から、規模・効用において対等と認定した。また、処分時点で代替公園の供用は開始されていなかったものの、設置予定地の権原を実質的に取得し、都市計画公園事業の認可も受けていたことから、合理的期間内に供用開始される蓋然性が高いと判断した。手続面についても、公聴会の開催、縦覧、都市計画審議会の議決を経ており、住民の反対意見を踏まえた具体的な計画修正も行われていたとして、手続的瑕疵はないとした。以上から、原告らの請求をいずれも棄却した。