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下級裁

自衛隊南スーダンPKO派遣差止等請求事件

判決データ

事件番号
平成28ワ2407
事件名
自衛隊南スーダンPKO派遣差止等請求事件
裁判所
札幌地方裁判所
裁判年月日
2022年3月8日
裁判官
谷口哲也亀井佑樹木村大慶

AI概要

【事案の概要】 自衛隊員の母である原告が、国(被告)に対し、安保関連法による改正後のPKO協力法に基づく国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)への自衛隊派遣は憲法9条に違反し、原告の平和的生存権を侵害するとして、(1)平和的生存権に基づく派遣活動の差止めと、(2)国家賠償法1条1項に基づく慰謝料20万円の支払を求めた事案である。原告の子(二男)は陸上自衛隊北部方面隊の駐屯地に勤務しており、同駐屯地の部隊から第10次要員が南スーダンに派遣された。原告は、安保関連法の成立後、子が戦闘に巻き込まれる不安から派遣反対の活動を行ったが、そのことで子の自衛隊内での立場が悪くなることを懸念し、子との絶縁を決断。その結果、PTSD及び持続性感情障害を発症した。 【争点】 (1)差止請求に係る訴えの適法性(民事訴訟手続における適法性及び訴えの利益の有無) (2)原告の平和的生存権の侵害の有無(平和的生存権の具体的権利性及び原告の権利侵害の有無) 【判旨】 裁判所は、原告の請求をいずれも棄却した。まず争点(1)について、UNMISSへの自衛隊派遣は「行政庁の処分その他公権力の行使」には当たらず、民事上の差止請求が不適法とはいえないとした。また、司令部要員の派遣終了が認められない以上、訴えの利益も失われていないとした。次に争点(2)について、憲法前文の「平和のうちに生存する権利」は崇高な理想を示すものであるが、「平和」の概念は多義的であり、それを達成する手段も多種多様であることから、憲法前文から直ちに具体的権利としての平和的生存権が保障されているとは解せないとした。また、憲法9条も国の統治活動についての規範であり、具体的な国民の権利を直接保障したものではないとした。そのうえで、原告主張の権利内容を人格権等の観点から検討したが、自衛隊員の生命身体への危険に由来する不安は、侵害される権利の主体は当該自衛隊員自身であって、家族が不安を感じたとしても直ちに家族の法的保護利益が侵害されたとはいえないとし、原告の子が実際に派遣されなかったことも踏まえ、原告の不安は一般的な不安の域を出ないと判断した。子との絶縁による精神疾患についても、平和や自衛隊活動に対する原告と子の考え方の相違や行動選択に起因する要素があることを否定できず、原告自身の権利侵害を基礎付けるものではないとして、法律上保護された原告の権利ないし利益の侵害は認められないと結論づけた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。