(事件名なし)
判決データ
- 事件番号
- 令和2ネ2936
- 事件名
- (事件名なし)
- 裁判所
- 東京高等裁判所
- 裁判年月日
- 2022年3月11日
- 裁判種別・結果
- その他
- 裁判官
- 平田豊、酒井良介、中久保朱美
- 原審裁判所
- 東京地方裁判所
AI概要
【事案の概要】 旧優生保護法(昭和23年法律第156号)に基づき強制不妊手術(優生手術)を受けさせられたと主張する控訴人が、国に対し、国家賠償法1条1項に基づく慰謝料3000万円及び遅延損害金の支払並びに謝罪広告の掲載を求めた事案の控訴審である。控訴人は昭和32年2月又は3月頃、未成年時に宮城県において本人の同意なく優生手術を受けさせられた。原審(仙台地裁)は控訴人の請求を全部棄却したため、控訴人が控訴した。当審では、控訴人は請求原因を整理し、主位的に本件優生手術の実施による不法行為及び先行行為に基づく作為義務違反、予備的に立法不作為による不法行為を主張するとともに、予備的請求として違法確認の訴えを追加した。主な争点���、優生��術の違憲性・違法性と、民法724条後段(除斥期間)の適用の可否であった。 【争点】 (1) 本件優生手術の違憲性・違法性及び民法724条後段の規定の適用関係 (2) 優生保護法の制定等を先行行為とする作為義務違反の有無 (3) 特別の賠償立法に係る立法義務違反の有無 (4) 控訴人が被った損害 (5) 謝罪広告の必要性 (6) 違法確認の訴えの予備的追加の当否 【判旨】 原判決変更。慰謝料1500万円及び遅延損害金の支払を認容し、その余の請求を棄却。 裁判所は、優生保護法の優生条項について、特定の障害又は疾患を有する者を「不良」な存在とする差別的思想に基づき、生殖機能を回復不可能な状態にさせるものであり、立法目的が差別的思想��基づき正当性を欠く上、手段も極めて非人道的であるとして、憲法13条(子をもうけるかどうかの自己決定権及び身体への侵襲を受けない自由)及び憲法14条1項(法の下の平等)に違反すると判断した。 民法724条後段の除斥期間に��いては、法的性質は除斥期間であるとの判例法理を維持しつつ、起算点は加害行為時(昭和32年)であるとした。しかし、本件では、国が法に基づく施策として強度の人権侵害を行い、欺罔等の手段を許容する通知を発出して被害者が優生保護法に基づく手術であることを認識し難い構造的仕組みを構築し、平成8年改正後も被害救済措置を講���なかった等の事情があり、除斥期間の経過により損害賠償請求権を消滅さ��ることは著しく正義・公平の理念に反する特段の事情��あると認定した。被害者が不法行為であることを客観的に認識し得た時期は、一時金支給法が制定された平成31年4月24日頃であり、同法が5年間の請求期間を設けていることに照らし、同日から5年間は除斥期間の効果は生じないと判示した。謝罪広告については必要性が認められないとして棄却した。