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下級裁

傷害致死

判決データ

事件番号
令和1わ2509
事件名
傷害致死
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2022年3月16日

AI概要

【事案の概要】 被告人は、大阪府茨木市内の社会福祉法人が運営する障害者支援施設の職員であった。検察官は、被告人が平成31年3月22日午後11時頃から翌23日午前1時15分頃までの間に、同施設3階に入所していた被害者(当時30歳)に対し、腹部等を鈍体で多数回打撃又は圧迫し、頸部を圧迫するなどの暴行を加え、舌骨体右側骨折、頸部左側筋肉出血、胸腹部多発打撲傷、腸間膜根部損傷等の傷害を負わせ、同月24日に頸部圧迫による窒息後の蘇生後脳症により死亡させたとして、傷害致死罪で起訴した(求刑:懲役8年)。 【争点】 ①被告人が検察官の主張するような暴行を被害者に加えたか、②被害者は被告人の暴行により死亡したか。 【判旨】 裁判所は、以下の理由から、いずれの争点についても合理的な疑いが残るとして、被告人に無罪を言い渡した。 第一に、頸部圧迫による窒息の有無について検討した。検察官は、解剖医Dの所見に基づき、舌骨体部の骨折、左頸部筋肉内出血、眼瞼結膜の溢血点等が頸部圧迫を示すと主張した。これに対し、法医学を専門とするE医師は、三次元CT画像に基づき、舌骨体部と右大角の結合部が未癒合又は部分癒合の状態であり骨折ではない可能性を指摘した。また、Dの司法解剖の手順・手法が不適切であること、左頸部筋肉内出血が救急救命措置により生じた可能性があること、被害者の顔面にうっ血がみられなかったことなどを具体的に指摘した。裁判所は、Eの所見は専門的知見に基づき信用でき、頸部圧迫による窒息があったとは認め難いと判断した。 第二に、心停止の原因について、E医師は、被害者が高度のストレス下にあったこと及び服用していた薬の相互作用により不整脈が生じて心停止に至った可能性を指摘し、搬送先の主治医もカルテに不整脈が最も考えられる原因と記載していた。頸部圧迫による窒息以外の原因による心停止の可能性が残ると判断した。 第三に、腸間膜根部損傷及び胸腹部多発打撲傷についても、救命時の胸骨圧迫により生じた可能性や、受傷時期が公訴事実の時間帯より前であった可能性が否定できないとした。 さらに、検察官が主張した動機(宿直体制への不満)、被告人が10分後に被害者の様子を確認しに行った行動、被告人が「司法解剖」と検索したことについても、いずれも被告人が犯人であることを示す事情とは断定できないとした。 以上から、本件公訴事実については犯罪の証明がないとして、刑事訴訟法336条により無罪を言い渡した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。