AI概要
【事案の概要】 原告は、発明の名称を「二重瞼形成用テープ又は糸及びその製造方法」とする特許(特許第3277180号)の特許権者であり、二重瞼形成用テープ「メザイク」を製造販売する会社である。原告は、被告フィートジャパンが製造販売する被告製品A1ないし10及び被告センティリオンが製造販売する被告製品B1ないし6が、本件特許の請求項1記載の発明(延伸可能でその延伸後にも弾性的な伸縮性を有する合成樹脂により形成した細いテープ状部材に粘着剤を塗着した二重瞼形成用テープ)の技術的範囲に属すると主張して、不法行為に基づく損害賠償を請求した。原告は被告フィートジャパンに対し1億6000万円、被告センティリオンに対し1億円の支払いをそれぞれ求めた。 【争点】 (1) 被告各製品が本件発明の技術的範囲に属するか(構成要件Aの「弾性的な伸縮性」の充足性、構成要件Bの「粘着剤を塗着」の充足性、均等侵害の成否) (2) 無効の抗弁の成否(公然実施に基づく新規性欠如、複数の先行文献を主引用例とする進歩性欠如) (3) 損害額 【判旨】 裁判所は、まず構成要件Aの「弾性的な伸縮性」について、テープ状部材の収縮力によって瞼に食い込みが生じるものに限らず、テープ状部材を押し当てることによって形成された二重瞼が収縮力により維持されるようなものも含むと解釈した。原告試験結果に基づき、被告各製品が延伸後も収縮力を有すると認定し、構成要件Aの充足を認めた。構成要件Bの「粘着剤を塗着」についても、テープ状部材に粘着剤が設けられた構造をいうと解し、ラミネート加工によるものも含まれるとして、充足を認めた。無効の抗弁については、優先権主張の効果を認め、基準日は優先権基礎出願日(平成12年10月3日)に遡及するとして公然実施による新規性欠如を否定し、各先行文献との組合せによる進歩性欠如の主張もいずれも退けた。損害額については、特許法102条2項に基づき、被告フィートジャパンの限界利益を約1億6545万円、被告センティリオンの限界利益を約7794万円と認定した上で、競合品の存在を考慮して10%の推定覆滅を認め、弁護士費用を加えて、被告フィートジャパンに対し1億6000万円、被告センティリオンに対し7715万0014円の損害賠償を認容した。