AI概要
【事案の概要】 原告(電子部品実装用メタルマスク等の製造販売会社)が、被告(超微細電鋳加工製品等の製造販売会社)に対し、被告が製造販売するメタルマスク(被告製品1)が原告保有の特許権1(「メタルマスク及びその製造方法」、特許第4192197号)の技術的範囲に属し、また、被告がボール配列用マスクを製造する方法(被告方法)が原告保有の特許権2(「ボール配列用マスクの製造方法」、特許第6302430号)の技術的範囲に属するとして、特許権侵害に基づく差止め及び損害賠償(主位的請求:約1億7170万円、予備的請求:不当利得返還約1億5166万円)を求めた事案である。 【争点】 (1) 被告製品1の認識マークが開口パターンに「近接」して設けられているか(争点1)、(2) 被告製品1に係る先使用の抗弁の成否(争点2)、(3) 本件訂正発明1の進歩性欠如の有無(争点3)、(4) 被告製品2に係る先使用の抗弁の成否(争点4)、(5) 本件訂正発明2の進歩性欠如の有無(争点5)、(6)(7) 各発明に係る損害額(争点6・7)が争われた。 【判旨】 裁判所は、特許権1(メタルマスクの認識マーク)に関する原告の請求を一部認容し、特許権2(ボール配列用マスクの製造方法)に関する請求を棄却した。争点1につき、「近接」とは位置合わせとしての機能を果たせるだけの近さをいうと解し、被告製品1は構成要件を充足すると認定した。争点2(先使用の抗弁)につき、被告が提出した乙2メタルマスクの認識マークが交流電源による電解マーキングで刻印されたとは認められないとして排斥した。争点3(進歩性欠如)につき、先行文献(乙12公報)に乙26公報記載の電解マーキング法を適用する動機付けがなく、むしろ阻害要因があるとして、進歩性欠如の主張を退けた。他方、争点4(特許権2の先使用の抗弁)につき、被告が本件特許2の出願日前に同一の製造方法を実施していたと認め、先使用権の成立を肯定し、特許権2に係る請求を棄却した。損害額について、特許法102条3項に基づき、被告製品1の売上高に相当実施料率を乗じた5209万2120円に弁護士費用相当額520万9212円を加えた合計5730万1332円を認容した。