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下級裁

北朝鮮帰国事業損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ26750
事件名
北朝鮮帰国事業損害賠償請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2022年3月23日
裁判官
五十嵐章裕崇島誠二中根佑一朗

AI概要

【事案の概要】 昭和34年から昭和59年にかけて実施されたいわゆる北朝鮮帰国事業に関し、在日朝鮮人及びその日本人配偶者ら原告5名が、被告(朝鮮民主主義人民共和国)に対し、不法行為に基づく損害賠償(各1億円)を求めた事案である。原告らは、被告が朝鮮総連と共に又は朝鮮総連を通じて、北朝鮮が「地上の楽園」であるなどと虚偽の宣伝を行って帰国を勧誘し(勧誘行為)、帰国した原告らを北朝鮮内に強制的に留め置いた(留置行為)ことが、居住場所及び国家体制を自ら選択する権利を侵害する国家誘拐行為であると主張した。また、原告Aは、被告が北朝鮮に残る家族の出国を妨害し、面会交流する権利を侵害していると主張した。原告らは昭和35年から昭和47年に北朝鮮へ渡航し、約29年から43年間にわたり北朝鮮で生活した後、平成13年から平成17年頃に脱出して日本に帰国した。 【争点】 (1) 日本の裁判所に国際裁判管轄が認められるか(勧誘行為・留置行為・面会交流権侵害のそれぞれについて)、(2) 被告が未承認国家として我が国の民事裁判権から免除されるか、(3) 勧誘行為の準拠法、(4) 改正前民法724条後段の除斥期間の経過により損害賠償請求権が消滅しているか。 【判旨】 訴え一部却下・請求棄却。裁判所は、まず管轄権について、勧誘行為は本邦で行われたものであり、被告が朝鮮総連と共に又は朝鮮総連を通じて事実と異なる宣伝による勧誘を行い原告らが誤信して帰国を決断したとの客観的事実関係が認められるとして、勧誘行為に係る訴えについて日本の裁判所の管轄権を肯定した。しかし、留置行為については、勧誘行為とは時期・場所・態様・目的を異にし、被告が自国民一般に対して行った出国制限の一環であるとして、勧誘行為と一連一体の不法行為とは認められず、管轄権を否定した。面会交流権侵害についても、直接侵害されるのは北朝鮮在住の原告Aの子らの権利であり、原告Aの面会交流権の侵害は派生的結果にすぎないとして管轄権を否定した。次に、被告は日本国政府が承認していない未承認国家であるから、対外国民事裁判権法にいう「国」に該当せず、民事裁判権の免除は認められないとした。勧誘行為の準拠法は日本法とした上で、改正前民法724条後段の除斥期間について検討し、原告らが北朝鮮に滞在していた間は権利行使が不可能であったと認めつつも、本邦入国後に生活基盤を整えてからの約13年から17年の間に権利行使の可否に影響する事情変更はうかがわれないとして、除斥期間経過の効果発生を妨げる特段の事情を否定し、損害賠償請求権は除斥期間の経過により消滅したと判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。