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知財

特許権侵害に基づく損害賠償等請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ17586
事件名
特許権侵害に基づく損害賠償等請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2022年3月24日

AI概要

【事案の概要】 本件は、発明の名称を「医薬」とする特許権(特許第5190159号)を有する原告(興和株式会社)が、被告(東和薬品株式会社)による後発医薬品(被告各製品)の製造・販売が本件特許権の侵害に当たるとして、4事件(第1事件〜第4事件)にわたり、不法行為に基づく損害賠償等の支払を求めた事案である。請求額は合計約188億円に上る。本件特許は、高脂血症治療薬の有効成分であるピタバスタチン又はその塩と、カルメロース及びその塩、クロスポビドン並びに結晶セルロースから選ばれる崩壊剤とを含有し、水分含量が2.9質量%以下である固形製剤に関するものである。被告各製品が本件各発明の技術的範囲に属することは争いがなく、被告は特許無効の抗弁を主張した。 【争点】 主な争点は、(1)本件各発明のサポート要件違反及び実施可能要件違反の有無、(2)本件訂正発明6〜9について訂正の再抗弁により無効理由が解消されたか否か、(3)損害額及び不当利得額であった。特に中心的争点は、本件各発明が特許法36条6項1号のサポート要件に適合するか否かであり、結晶セルロースを含まない構成を包含する本件各発明の特許請求の範囲が、明細書の発明の詳細な説明に記載された発明で、当業者が課題を解決できると認識できる範囲のものであるかが問題となった。 【判旨】 裁判所は、本件各発明の課題はラクトン体の生成率を抑制した医薬品を提供することであり、その解決とは水分含量を2.9質量%以下にすることによりラクトン体の生成率が一定値以下に抑制されたことをいうと認定した。その上で、明細書の実施例(試験例2)は結晶セルロースを含む処方例1に基づく口腔内崩壊型錠剤についてのもののみであるところ、結晶セルロースには一般的に主薬の化学的変化を抑制する安定化剤としての効果があることは周知技術であり、先行文献(乙1公報)にもスタチン系製剤の安定性に結晶セルロースが寄与することが開示されていることから、処方例1の結晶セルロースがピタバスタチンカルシウムの安定性に寄与した可能性があると判断した。そして、明細書にはラクトン体の生成が抑制される具体的な作用機序の記載がなく、結晶セルロースを除いた構成について実施例の記載もないことから、当業者が結晶セルロースを含まない構成でも課題を解決できると認識することはできないとして、サポート要件違反を認定した。訂正の再抗弁についても、本件各訂正発明はいずれも結晶セルロースを含まない構成を包含するため、同様の理由によりサポート要件違反は解消しないと判断し、原告の請求をいずれも棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。