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下級裁

業務上過失致死被告事件

判決データ

事件番号
令和2わ1020
事件名
業務上過失致死被告事件
裁判所
福岡地方裁判所
裁判年月日
2022年3月25日
裁判官
神原浩川口洋平絹川宥樹

AI概要

【事案の概要】 小児歯科医院の院長である被告人が、業務上過失致死罪に問われた事案である。被告人の歯科医院において、非常勤歯科医師が当時2歳の患児に対し、リドカインを主成分とする局所麻酔剤を使用して歯科治療を行った。治療終了後、患児の父親が顔色の悪さや目の焦点が合わないなどの異変を繰り返し訴えたにもかかわらず、被告人は「疲れと眠さでこうなっているだけ」と軽信し、パルスオキシメータ等による測定や十分な問診・視診・触診を行わなかった。その結果、患児が急性リドカイン中毒に陥っていることを看過し、必要な救命処置を講じないまま、患児を急性リドカイン中毒に基づく低酸素性脳症により死亡させた。 【争点】 ①低酸素性脳症の原因が急性リドカイン中毒か、②被告人において患児が偶発症に陥っている可能性及び死に至る可能性を認識し得たか、③適切な処置を行っていれば死を回避できたかの3点が争われた。弁護人は、使用された麻酔薬の量では通常中毒は生じないこと、被告人は視診等による適切な確認を行っており異常はなかったとして無罪を主張した。 【判旨(量刑)】 裁判所は、3つの争点すべてについて有罪方向の認定をした。争点①につき、法医学者による鑑定に基づき、浸潤麻酔の注射時に血管が損傷され、リドカインが血中に流入して中毒症状を引き起こしたと認定した。解剖所見から脳に高濃度のリドカインが検出され、他に致死的原因も認められなかった。争点②につき、治療終了直後から患児にはチアノーゼ、けいれん、意識障害等の症状が客観的に存在していたと認定した。父親及び歯科衛生士の供述は、両親のその後の行動やH病院での診療記録と整合し信用できるとした。被告人が十分な問診等を行っていれば、これらの症状を認識し、急性リドカイン中毒を含む偶発症の可能性に気付くことは可能であったと判断した。争点③につき、複数の医師の証言から、午後5時10分頃に適切な処置が講じられていれば救命は十分可能であったと認定した。量刑については、父親の訴えを軽んじ、容易に使用できたパルスオキシメータ等の補助機器も用いずに異変を見落とした過失は軽くないとしつつ、使用された麻酔薬の量では通常中毒は生じないとされており判断を誤りやすい状況があったことも考慮し、禁錮1年6月・執行猶予3年を言い渡した(求刑:禁錮2年)。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。