損害賠償等請求控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 控訴人(原告)が、自身のTwitterに投稿したツイート(本件ツイート)が言語の著作物であるところ、被控訴人Y(被告Y)がその全文を複製した上でこれを批判する文章を執筆し、被控訴人会社(被告会社・現代書館)が書籍「#KuToo(クートゥー)靴から考える本気のフェミニズム」に掲載して出版した行為が、控訴人の著作権(複製権・譲渡権)、著作者人格権(同一性保持権)及び名誉感情を侵害すると主張し、損害賠償及び書籍の複製等の差止め・廃棄を求めた事案の控訴審である。控訴人は当審で、名誉権侵害及び著作者人格権のみなし侵害(著作権法113条11項)に基づく損害賠償請求を追加した。原審は控訴人の請求をいずれも棄却していた。 【争点】 (1) 本件書籍における本件ツイートの掲載が著作権法32条1項の引用に当たるか(争点1) (2) 同一性保持権侵害の成否(争点2) (3) 名誉感情侵害による不法行為の成否(争点3) (4) 名誉権侵害による不法行為の成否(争点4・当審追加) (5) 著作者人格権のみなし侵害の成否(争点5・当審追加) 【判旨】 控訴棄却・追加請求棄却。 争点1につき、裁判所は、本件書籍において被控訴人Yのツイートや批評が主であり本件ツイートが従であること、本件ツイートの出所が明示されていること等から、引用の要件を充足すると判断した。本件ツイートの掲載部分の横に「縦棒」が引かれ、読者によっては被控訴人Yとの直接のやり取りと受け取られる可能性も否定できないとしつつ、縦棒の上にツイートの掲載や返信先アカウント表示がないことから、一般読者の普通の注意と読み方を基準とすると被控訴人Yへのリプライとして受け取られるとまではいえず、掲載の仕方は社会通念上相当な範囲にとどまり公正な慣行に合致するとした。また、ツイートを書籍に引用する際にスクリーンショット等で実際の表示をそのまま掲載することが求められるとの控訴人の主張についても、文字情報のみを掲載した書籍も複数存在することに照らし、そこまでは求められないとして排斥した。 争点2につき、「#kutoo」を「#KuToo」と表記した点は意味内容に異なるところはなく実質的変更はないとし、掲載の仕方についても被控訴人Yへのリプライとして掲載されているとはいえないとして、同一性保持権侵害を否定した。 争点3につき、「へんてこりんな人」との記載は控訴人の社会的評価を低下させる具体的事実の摘示ではないとして否定した。 争点4・5につき、本件ツイートが被控訴人Yへのリプライとして受け取られるとはいえず、控訴人の社会的評価が低下するとも認められないとして、いずれも理由がないとした。