行政文書非公開決定処分取消請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 原告(市民オンブズマン団体)は、名古屋市情報公開条例に基づき、名古屋城天守閣木造復元事業に関連して被告(名古屋市)の職員等が文化庁を訪問した際の復命書・持参資料等について3件の公開請求を行った。処分行政庁(名古屋市長)は、各請求に対し一部公開決定をしたが、文化庁職員の発言内容、名古屋市長の発言内容、竹中工務店の基本計画書の一部(耐震計画・防災避難計画・復元根拠資料等)などを非公開とした。原告は、非公開部分の取消しと公開決定の義務付けを求めて提訴した。 【争点】 非公開とされた文書(全60件)が、名古屋市情報公開条例7条1項2号(法人等利益侵害情報)、3号(公共安全情報)、4号(意思形成過程情報)、5号(事務支障情報)の各非公開情報に該当するか。 【判旨】 裁判所は、各文書の性質に応じて非公開情報該当性を個別に判断し、原告の請求を一部認容・一部棄却した。 名古屋市長の発言(文書1、6〜9、12〜15、29〜34、47〜50)については、発言が処分の3年以上前にされたものであり、その後の事業スケジュール変更が公表済みであること、障害者団体への具体的説明もされていること等から、公開により市民に混乱が生じる蓋然性や事務遂行への支障は認められないとして、非公開事由の存在を否定した。石垣保存に関する文書30も同様に、3年以上前の検討内容でその後変更を余儀なくされていることが公表済みであるとした。 他方、文化庁職員の発言(文書2、10、11、16、17、35〜46、51〜60等)については、本件事業をめぐり石垣保存方法に意見対立がある中、非公開の意見交換における文化庁職員の発言が公開されれば、今後の意見交換で率直な意見が述べられなくなる蓋然性があるとして、意思形成過程情報・事務支障情報に該当すると判断した。 竹中工務店の基本計画書の記載(文書18〜27等)については、耐震補強の解析手法・防災避難計画・史実に忠実な復元の考証等に同社のノウハウが含まれ、公開により競争上の地位が害されるとして法人等利益侵害情報に該当するとした。ただし、既に天守閣部会で公開済みの避難イメージ図や防災拠点設置場所等の情報は、非公開情報に該当しないとした。