手続却下の処分取り消し請求控訴事件
判決データ
- 事件番号
- 令和3行コ10004
- 事件名
- 手続却下の処分取り消し請求控訴事件
- 裁判所
- 知的財産高等裁判所
- 裁判年月日
- 2022年4月14日
- 裁判官
- 大鷹一郎、小川卓逸、大鷹一郎
- 原審裁判所
- 東京地方裁判所
AI概要
【事案の概要】 控訴人は、「ボトルキャップ開けホルダー」と名付けた発明について特許出願(特願2019-86601号)をしたが、特許庁審査官から拒絶査定を受けた。控訴人は拒絶査定不服審判を請求するとともに特許請求の範囲の手続補正を行ったが、特許庁は補正を却下した上で審判請求は成り立たないとの審決をした。控訴人はこれを不服として、特許庁長官に対し審決の取消しと特許査定をすべき旨の意見書を提出したが、特許庁長官は当該意見書に係る手続を却下する処分(本件処分)をした。そこで控訴人は、拒絶査定の取消し、本件処分の取消し、及び特許査定をすることの義務付けを求めて出訴した。原審(東京地裁)は、拒絶査定の取消請求と特許査定の義務付け請求をいずれも不適法として却下し、本件処分の取消請求を棄却した。なお、審決取消しを求める部分は、原審が民事訴訟法16条1項に基づき知的財産高等裁判所に移送する決定をし、同決定は確定している。控訴人は原判決を不服として控訴した。 【争点】 本件の争点は、(1)拒絶査定の取消しを求める訴えの適法性、(2)特許査定の義務付けを求める訴えの適法性、(3)本件処分(意見書に係る手続却下処分)の取消請求の当否である。控訴人は、本件発明は片手が不自由な人がボトルキャップを開ける際の問題点を解決するものであり、審査官がその特徴を見誤って拒絶査定をしたと主張した。また、本件処分及び原判決は、審査官の判断が誤りであるとの控訴人の主張に回答しないまま独自の判断で請求を退けたものであり不当であると主張した。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、控訴を棄却した。裁判所は、原審の判断を支持し、拒絶査定の取消しを求める部分及び特許査定の義務付けを求める部分はいずれも不適法であり、本件処分の取消しを求める部分は理由がないと判断した。控訴人の主張に対しては、特許法は拒絶査定に不服がある場合には拒絶査定不服審判を請求でき、その審決に不服がある場合には審決取消訴訟を提起できると定めていること(特許法121条1項、178条1項・2項・6項等)に鑑みると、拒絶査定の誤りはこれらの法定の手続において是正されるべきものであるとした。控訴人の主張はこれとは異なる手続で拒絶査定の誤りの是正を求めるものであり、その前提において採用できないと判示した。