AI概要
【事案の概要】 原告(株式会社エレファント)は、「nico」の欧文字を水色の手書き風書体で大きく表し、「o」の内側に顔のイラスト、上部にサボテン状の図形を配し、上段に小さく「natural baby soap」と記した結合商標について、第3類(せっけん類等)及び第5類を指定商品として商標登録出願をした。特許庁は、本願商標が引用商標(「NICO」の欧文字と「ニコ」の片仮名を上下二段に配したもの)と類似し、指定商品も同一又は類似であるとして、商標法4条1項11号に該当するとの拒絶査定及び審決をした。原告がその取消しを求めた事案である。 【争点】 本願商標と引用商標の類否判断の前提として、本願商標の要部をどのように認定すべきか。具体的には、本願商標の下段部分のうち「nico」の文字部分のみを要部として抽出できるか、それともイラスト部分を含む下段部分全体を要部とすべきか。また、外観・称呼・観念の総合考察により両商標が類似するか。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、本願商標の上段部分「natural baby soap」は指定商品との関係で自他商品識別機能がないか極めて弱いとし、下段部分が要部であると認定した。原告は、下段部分のイラスト(サボテン状の図形や顔の図案化)が独自性を有し、「にこにこ笑う」等の観念を生じさせるため、文字部分とイラスト部分は不可分一体であると主張したが、裁判所は、欧文字「o」の内側に顔を表すように図案化したり「o」の上部にイラストを配することは慣用されており、本願商標のイラスト部分も一般的に慣用されている態様と大きく異なるものではないとして、イラスト部分が出所識別標識として強い支配的印象を与えるものとは認められないと判断した。その上で、本願商標の要部「nico」と引用商標の要部「NICO」を対比し、つづりが同一で外観上相紛らわしく、称呼も「ニコ」で同一であり、ともに特定の観念を生じないことから、両商標は類似すると結論づけた。原告が主張した取引の実情(販売実績111万個超で混同の問い合わせがない点)についても、商標の類否判断で考慮すべき取引の実情は指定商品全般についての一般的・恒常的なものであり、現在の個別的な取引の実情は当を得ないとして排斥した。