特許権侵害行為差止請求控訴事件
判決データ
- 事件番号
- 令和3ネ10072
- 事件名
- 特許権侵害行為差止請求控訴事件
- 裁判所
- 知的財産高等裁判所
- 裁判年月日
- 2022年4月28日
- 裁判官
- 大鷹一郎、小川卓逸、大鷹一郎
- 原審裁判所
- 東京地方裁判所
AI概要
【事案の概要】 本件は、「加熱式エアロゾル発生装置、及び一貫した特性のエアロゾルを発生させる方法」とする特許(特許第6125008号)の特許権者である被控訴人(フィリップ・モーリス・プロダクツ社)が、控訴人ら(ジョウズ・ジャパン株式会社及びアンカー・ジャパン株式会社)に対し、控訴人らが加熱式タバコ用デバイス「jouz20」「jouz12」「jouz20 PRO」を共同で販売・輸入等する行為が本件特許権の侵害又は間接侵害(特許法101条5号)に当たると主張して、特許法100条1項及び2項に基づき、被告製品の販売・輸入等の差止め及び廃棄を求めた事案の控訴審である。原審は被控訴人の請求を全部認容し、控訴人らが控訴した。 【争点】 (1) 被告製品が本件各発明の構成要件(加熱要素の温度が第1の温度から第2の温度に低下し、さらに第3の温度に上昇する制御構成)を充足するか(争点1) (2) 先行技術(乙7発明・乙8発明)に基づく新規性・進歩性欠如による特許無効(争点2) (3) サポート要件違反・明確性要件違反・実施可能要件違反(争点2) (4) 控訴人アンカーと控訴人ジョウズの共同不法行為の成否(争点3) (5) 差止めの必要性(争点4) 【判旨】 控訴棄却。知財高裁は、まず構成要件充足性について原審判断を維持し、被告製品が本件各発明の技術的範囲に属すると認定した。 特許無効の主張については、乙7公報記載の加熱制御装置には、第2段階で加熱要素の温度が第1の温度より低い第2の温度に低下するがエアロゾル形成体の揮発温度より低くならないように電力が供給される構成の開示がないとして新規性欠如の主張を退けた。乙8発明についても同様に、第2段階での電力供給に係る構成の開示・示唆がないとし、乙9公報を組み合わせても進歩性欠如は認められないとした。サポート要件違反等の主張も排斥した。 共同不法行為の成否について、裁判所は、両控訴人がいずれもAnkerグループの日本法人であること、設立時の代表取締役が同一人物であったこと、控訴人ジョウズの業務全般が控訴人アンカーに委託されていたこと、被告製品の広告にAnkerグループの支援が明示されていたこと等の事情を総合考慮し、両者には被告製品の販売等に関し「緊密な一体関係」があると認定した。控訴人アンカーの業務委託料が固定額であることや、販売が控訴人ジョウズ名義で行われていたことは上記判断を左右しないとして、共同不法行為の成立を認め、原判決を維持した。