AI概要
【事案の概要】 原告(ショット スコープ テクノロジーズ リミテッド)は、「ゴルフスイングモニタリングシステム」に関する特許出願について拒絶査定を受け、拒絶査定不服審判を請求するとともに特許請求の範囲の補正(本件補正)を行ったが、特許庁は本件補正を却下した上で審判請求は成り立たないとの審決をした。本件補正は、補正前の請求項にはなかった新たな請求項8を追加する増項補正(補正事項1)と、補正前の「携帯装置」や「タグ」に係る発明を「システム」に係る発明へと変更する補正(補正事項2ないし5)を含むものであった。審決は、これらの補正事項がいずれも特許法17条の2第5項1号ないし4号に掲げられた事項を目的とするものに該当しないとして本件補正を却下し、補正前の請求項19ないし21に係る各発明は引用文献記載の発明と同一であるとして本願を拒絶すべきものと判断した。原告は、審決の補正却下の判断の誤りを取消事由として本件訴訟を提起した。 【争点】 本件補正が特許法17条の2第5項2号の「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当するか。具体的には、(1)新たに追加された請求項8が補正前のいずれかの請求項の発明特定事項を限定するものといえるか、(2)「携帯装置」「タグ」の発明を「システム」の発明へ変更する補正事項2ないし5が減縮に該当するか。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、まず補正事項1について、補正後の請求項8は補正前の請求項10と対応関係にあると認定した上で、補正後の請求項8は補正前の請求項10の発明特定事項からストラップセンサの接点構成に係る構成を削除したものであり、発明特定事項を限定したものとは認められず、かえって上位概念化したものであるから、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものとは認められないと判断した。原告は補正後の請求項8が補正前の請求項1と対応し、その内的付加であると主張したが、裁判所は、補正後の請求項8は請求項1のみならず請求項2ないし7の従属項でもあり、請求項1と一対一又はこれに準ずる対応関係にあるとは認められないとして退けた。補正事項1を含む本件補正は同号に適合せず、その余の補正事項について判断するまでもなく、本件補正を却下した審決の判断に誤りはないとした。