不正競争行為差止等請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 本件は、映画「ゴジラ」シリーズの企画・制作等を行う原告(東宝株式会社)が、建設機械用アタッチメントの製造販売等を行う被告タグチ工業及び被告タグチアシストに対し、不正競争防止法に基づく差止め及び損害賠償等を求めた事案である。 原告は、「GODZILLA」という欧文字表示(原告表示)が原告の著名な商品等表示であるところ、被告らが類似する「GUZZILLA」(被告表示1)を使用したTシャツ、フィギュア等のグッズを譲渡等したこと、被告タグチ工業が「SUPER GUZZILLA」(被告表示2)を巨大アトラクション用ロボットキャラクターに、「GUZZILLA VR」(被告表示3)をVRシミュレーションゲームにそれぞれ使用したことが、不正競争防止法2条1項2号(著名表示冒用行為)に該当すると主張した。 【争点】 主な争点は、(1)原告表示が原告の商品等表示として著名か、(2)被告表示1〜3と原告表示の類似性、(3)被告表示1の使用が登録商標の使用として許されるか、(4)損害額、(5)被告表示2・3の使用に係る損害賠償請求権の消滅時効の成否等である。 【判旨】 裁判所は、原告の請求を一部認容した。 まず、原告表示「GODZILLA」は、昭和30年以降、映画のビデオグラム、キャラクター商品、ゲーム等に広く使用され、辞書にも掲載されていることから、平成6年9月より前から原告の著名な商品等表示であると認定した。 被告表示1「GUZZILLA」については、原告表示と8文字中6文字(語頭の「G」と語尾の「ZILLA」の5文字)が共通し、称呼も「ガジラ」ないし「グジラ」と「ゴジラ」で語頭音の子音を共通にし母音も近似するとして、称呼及び外観において類似すると判断した。被告らが被告キャラクターを「怪獣のガジラ」と称して展示し、特撮映画を連想させる広告動画を掲載していた事情も踏まえ、被告行為は原告表示の顧客吸引力を利用し稀釈化を生じさせるものであり、原告の営業上の利益を侵害したと認めた。被告商標権の存在による正当化の主張は、被告表示1と被告商標2は同一でないとして排斥した。 損害額について、グッズ(被告行為1)については売上高等の10%を使用料相当額とし、被告タグチ工業につき約49万円、被告タグチアシストにつき約55万円を認容した。ロボットキャラクター及びゲームの展示等(被告行為2・3)については1日当たり10万円の使用料相当額を認め、合計94日分の940万円に弁護士費用を加えた1034万円を認定した。ただし、時効消滅した671万円分は不当利得返還請求として610万円を認容し、最終的に被告タグチ工業に対し合計約973万円の支払を命じた。