AI概要
【事案の概要】 原告は、「粘着テープ及びその製造方法」に関する特許(特許第6624480号)の権利者である。特許異議申立事件において、特許庁は、本件特許の請求項1、3〜4、6及び8〜9に係る特許を取り消す決定をした。原告はこの取消決定の取消しを求めて出訴した。本件発明は、発泡体層と樹脂フィルム層を有し、樹脂フィルム側に略円形状・略四角形状・略六角形状の粘着部を複数配置した粘着テープであり、粘着部間の距離や厚さ、損失正接のピーク温度等を特定の数値範囲に限定することで、被着体との界面からの気泡抜け性と接着性の両立を図るものである。 【争点】 (1) 進歩性の判断の誤りの有無(甲1発明との相違点α〜εの容易想到性) (2) サポート要件の判断の誤りの有無 【判旨】 裁判所は、原告の請求を棄却した。 進歩性について、裁判所は以下のとおり判断した。相違点α(粘着部の形状)について、甲1の段落【0035】には波状パターンのバリエーションとして各種形状を「反転させる等して、重ねて形成」することが記載されており、そのようにした場合に感圧接着剤配置部が略円形状・略四角形状になり得ると認定した。また、粘着テープ等の技術分野において粘着剤部分の形状を円形状・四角形状・六角形状とすることは周知技術であったと認定し、相違点αは容易想到とした。原告は甲1発明が「帯状部分」の溝による特定方向への空気除去という本件発明とは異なる技術的思想に基づくと主張したが、裁判所は、課題解決のためには気泡除去が重要であり、特定方向への除去は選択された手段にすぎないとしてこれを退けた。相違点β〜εについても、甲1及び周知技術の記載に基づき、いずれも容易想到と判断した。本件発明の効果についても、構成が容易想到である以上、予測し得ない顕著な効果とは認められないとした。サポート要件違反については、進歩性欠如により特許が取り消されるべきことが認められた以上、判断するまでもないとした。