行政文書不開示処分取消請求事件
判決データ
- 事件番号
- 令和2行ヒ340
- 事件名
- 行政文書不開示処分取消請求事件
- 裁判所
- 最高裁判所第三小法廷
- 裁判年月日
- 2022年5月17日
- 裁判種別・結果
- 判決・その他
- 裁判官
- 宇賀克也、戸倉三郎、林道晴、長嶺安政、渡惠理子
- 原審裁判所
- 東京高等裁判所
AI概要
【事案の概要】 安愚楽牧場(和牛預託商法を行っていた会社)に関する行政文書の開示請求に対し、消費者庁長官が情報公開法5条6号イ(監査・検査等に係る事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ)等を理由に一部不開示とした各決定について、その取消しを求めた行政訴訟の上告審である。原審(東京高裁)は、預託法違反等に係る調査結果の客観的事実に関する情報(目録記載3〜11)は不開示情報に該当しないとして取消請求を認容し、他方、調査の検討過程に関する情報(目録記載1・2)は一体的に不開示情報に該当するとして取消請求を棄却した。 【争点】 預託法・景表法違反に係る調査の結果に関する情報が客観的事実に関するものであっても、情報公開法5条6号イの不開示情報に該当し得るか。また、複数の異なる内容の情報を一体的に不開示情報該当性を判断することの可否。 【判旨】 最高裁は原判決を一部破棄し、東京高裁に差し戻した。まず目録記載3〜11について、預託法等の規制の潜脱を図ろうとする業者が、調査結果の報告書等を分析することにより調査の着眼点や手法等を推知し、将来の調査対象資料を隠蔽・改ざんすることがあり得ると指摘。客観的事実に関する情報であっても、調査目的が反映された報告書の記載内容から着眼点等が推知され得る場合があるとし、個別に不開示情報該当性を審理すべきとした。次に目録記載1・2について、各項目に異なる内容の情報が記録されているにもかかわらず一体的に判断した原審の審理は不十分とした。裁判官全員一致。 【宇賀克也裁判官の補足意見】 行政処分・行政指導の内容やその原因事実の公表は行政の透明性確保の観点から望ましく、客観的事実に関する情報は一般的には機微情報に当たらないとしつつも、そこから機微情報を推知し得る場合がある以上、個別に不開示情報該当性を判断すべきとした。