AI概要
【事案の概要】 被告は「Scrum Master」(標準文字)の商標権者であり、第41類の教育訓練・セミナー等を含む役務を指定商品・役務として商標登録を受けていた。原告ら(KDDI、スクラムインコーポレイテッド、永和システムマネジメント等13社・団体)が商標登録無効審判を請求したところ、特許庁は一部の指定商品・役務(書籍・電子出版物等)についてのみ登録を無効とし、教育訓練・研修会・セミナー等の役務については無効としない旨の審決をした。原告らは、審決のうち教育訓練等の役務に係る部分の取消しを求めて本件訴訟を提起した。 【争点】 本件商標「Scrum Master」が、教育訓練・研修会・セミナー等の役務との関係で、商標法3条1項3号(役務の質を普通に表示する標章)に該当するか否か。 【判旨】 請求認容(審決取消し)。裁判所は、商標法3条1項3号該当性の判断につき、商標が指定役務との関係で役務の質を表示記述するものとして取引に際し必要適切な表示であり、当該商標が指定役務に使用された場合に取引者・需要者によって将来を含め役務の質を表示したものと一般に認識されるものであれば足り、現実に使用されていることは要しないとの判断基準を示した。その上で、登録査定時において「Scrum」がアジャイルソフトウェア開発手法の一つとして、「Scrum Master」が同手法における役割の一つとして認識されていたこと、「Master」の語が「修得・熟達」を意味することから「Scrum Master」は「Scrumを修得した者」等の観念を生ずること、複数の研修・認定制度が実施されていたこと等を認定し、本件商標が教育訓練等の役務に使用された場合、取引者・需要者はScrum修得に関する教育訓練等であると理解するとして、役務の質を表示する標章に該当すると判断した。