著作権侵害差止等請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 スウェーデン国籍の原告が、自ら撮影した日本の紙幣の写真を写真共有サイトFlickrにクリエイティブコモンズライセンス(CCライセンス)付きで公開していたところ、人材派遣業等を営む被告会社が、原告の氏名(変名)やタイトルを表示せず、かつ写真の左右を一部切除した上で、自社運営のウェブサイト「251MEDIA」に掲載した。原告は、複製権・公衆送信権の侵害に基づく差止め及び損害賠償(ライセンス料相当額12万円、氏名表示権・同一性保持権侵害の慰謝料10万円、弁護士費用4万円)を請求した。 【争点】 ①被告が著作権者から許諾を得ていたか、②損害額(著作権侵害の経済的損害及び著作者人格権侵害の慰謝料)、③差止めの必要性。 【判旨】 ①許諾について、被告はフリー素材として許諾を得たと主張したが、これを認めるに足りる証拠はなく、CCライセンスの許諾条件(クレジット表示等)も満たしていなかったため、許諾は認められないとした。 ②損害について、原告が写真撮影で生計を立てている者ではないこと、原告写真がCCライセンスにより条件付きで無償利用可能であったこと等を総合考慮し、著作権侵害に係る損害額を4万円と認定した。氏名表示権侵害については、原告が第三者の会社に関係する名称を変名として使用しており、撮影者が原告であると公開されることへの関心が特に強かったとまでは認められないとした。同一性保持権侵害については、左右の一部切除にとどまり改変の程度は小さいとして、人格権侵害の慰謝料を合計1万円、弁護士費用を1万円とし、合計6万円の損害賠償を認容した。 ③差止めについては、被告が警告後にウェブページを非公開とし、訴状送達後に画像データも削除しており、削除が遅れたのは意図的なものではなかったと推認されるとして、差止めの必要性を否定した。