商標登録取消決定取消請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 原告(株式会社OMECO)は、「OMECO」の欧文字からなる商標(指定商品:第14類「時計」)の商標権者である。被告補助参加人であるオメガ・エス・アー(OMEGA SA)が本件商標について登録異議を申し立てたところ、特許庁は、本件商標が商標法4条1項15号(混同のおそれ)及び同項7号(公序良俗違反)に該当するとして商標登録を取り消す決定をした。原告がこの取消決定の取消しを求めて知的財産高等裁判所に出訴した事案である。原告は、被告補助参加人の引用商標「OMEGA」が周知著名であること及び本件商標が「オメコ」の称呼を生じることは認めつつも、外観・称呼・観念の相違から類似性は低く混同のおそれはないと主張した。また、本件商標の称呼は関西地方の方言・俗語にすぎず、欧文字表記からは女性器等が連想されないとも主張した。 【争点】 本件商標が商標法4条1項15号(他人の業務に係る商品との混同のおそれ)に該当するか、及び同項7号(公の秩序又は善良の風俗を害するおそれ)に該当するかが争点となった。 【判旨】 裁判所は、まず商標法4条1項7号該当性について判断し、本件商標の称呼「オメコ」は、大辞林・大辞泉・国語大辞典等の複数の辞典に女性器の俗称等として掲載されている一方、その称呼から異なる意味合いを想起させる語は見当たらないと認定した。さらに、原告自身が運営するウェブサイトにおいて、本件商標を「変態高級腕時計」の文字や女性器を模した円状図形と一体で使用し、「パイパンマン」等の性的表示を付した商品画像を多数掲載している事実から、本件商標がまさに辞典記載どおりの意味合いで使用されていると認定した。原告の「欧文字表記であるから女性器が連想されない」との主張については、綴りから自然に当該称呼が生じ、それ以外の称呼が自然と生じるとはいい難いとし、「関西地方の方言にすぎない」との主張についても、関西地方で用いられているならば周知の用語というに十分であると退けた。以上から、本件商標はその構成自体が卑わい又は他人に不快な印象を与えるものであり、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標として商標法4条1項7号に該当するとし、その余の争点(同項15号該当性)について判断するまでもなく、原告の請求を棄却した。