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損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
令和2ワ14630
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2022年5月26日

AI概要

【事案の概要】 本件は、「特定加熱食肉製品、特定加熱食肉製品の製造方法及び特定加熱食肉製品の保存方法」に関する特許権(特許第5192595号)を有するシンコウフーズから独占的通常実施権の付与を受けた原告(食肉加工会社)が、被告(食肉加工・販売会社スターゼン)に対し、被告が製造販売するローストビーフ(被告製品1・2)の製造方法が本件特許発明の技術的範囲に属するとして、民法709条及び特許法102条2項に基づき、約2億2101万円の損害賠償を請求した事案である。 本件特許発明は、特定加熱食肉製品(ローストビーフ等)をスライスした後、還元型ミオグロビンをオキシミオグロビンに酸素化する工程を経て、非鉄系脱酸素材とともにガスバリア性包材に密封し、包材内の酸素濃度が検出限界以下の条件下でミオグロビンの各割合(オキシミオグロビン12%以上、メトミオグロビン50%未満、還元型ミオグロビン34%以上)を実現することで、スライス後の褐変を防止し優れた肉色を長期間維持する製造方法に関するものである。 【争点】 主な争点は、(1)被告方法が本件特許発明の技術的範囲に属するか(構成要件B〜Dの充足性)、(2)本件特許が乙12発明(特開平10-327807号)を主引例として進歩性を欠くか、(3)明確性要件違反、(4)実施可能要件違反、(5)サポート要件違反の各無効理由の有無、(6)損害賠償請求権の取得、(7)損害額である。 【判旨】 裁判所は、事案に鑑み争点2(進歩性欠如)から判断した。 まず、乙12発明のローストビーフについて、発色剤が使用されていないと認定し、仮に加熱食肉製品であったとしても特定加熱食肉製品と肉色の変化に関する機序は異ならないとして、特定加熱食肉製品とすることは容易に想到できるとした。 相違点1(酸素化工程)については、乙13発明(特開2012-37202号、冷蔵庫での食品貯蔵方法)が、ミオグロビンを含む食品について貯蔵前に酸素にさらして還元型ミオグロビンをオキシミオグロビンに変化させる技術を開示しており、乙12発明と同じ食肉分野で同じ技術常識が適用できることから、組み合わせは容易であるとした。 相違点2(非鉄系脱酸素材)については、乙14発明(特開昭60-221031号)により、非鉄系脱酸素剤(CO2発生型)が食肉分野で用いられていたこと、及び金属探知機に反応しない利点があったことから、乙12発明の鉄系脱酸素剤を非鉄系に代えることは容易であるとした。 相違点3(ミオグロビン割合の数値限定)については、メトミオグロビンの割合を抑えオキシミオグロビンの割合を高く維持することが望ましいことは技術常識であり、本件ミオグロビン割合の数値に臨界的意義は認められず、当業者が適宜設定できるものであるとした。 以上から、少なくとも窒素ガス又は二酸化炭素ガスに置換する工程を含み非鉄系脱酸素剤のみを用いる構成について、本件特許には特許無効審判により無効とされるべき事由があると認め、その余の争点を判断するまでもなく、原告の請求を棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。