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知財

特許権侵害差止等請求事件

判決データ

事件番号
令和2ワ13326
事件名
特許権侵害差止等請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2022年5月27日
裁判官
柴田義明佐伯良子仲田憲史

AI概要

【事案の概要】 本件は、発明の名称を「エルデカルシトールを含有する前腕部骨折抑制剤」とする特許権(特許第5969161号)を有する原告(医薬品の研究開発・製造販売会社)が、被告沢井製薬及び被告日医工に対し、両社がそれぞれ製造販売承認を得たエルデカルシトールを有効成分とする後発医薬品(ジェネリック医薬品)が上記特許発明の技術的範囲に属するとして、特許法100条1項・2項に基づき、当該医薬品の生産、輸入、譲渡、譲渡の申出の差止め及び廃棄を求めた事案である。 本件特許は、骨粗鬆症治療薬であるエルデカルシトールについて、既存の活性型ビタミンD3製剤であるアルファカルシドールと比較して、前腕部骨折の抑制効果が顕著に優れていることを見出したとするものであり、臨床試験では前腕部骨折のハザード比が0.29(骨折危険率71%減少)であったとされていた。被告製品はいずれもエルデカルシトールを有効成分とし、骨粗鬆症を効能・効果とする医薬品である。 【争点】 主要な争点は、(1)被告製品が「非外傷性である前腕部骨折を抑制するための」医薬品といえるか、(2)本件発明が先行文献(乙1文献)に基づき新規性を欠如するか、(3)進歩性を欠如するか、(4)訂正によって無効理由が解消されるか等であった。特に、骨粗鬆症治療薬としての公知の用途から、前腕部骨折抑制という限定された用途を独立の発明として新規性を認めることができるかが中心的な争点となった。 【判旨】 裁判所は、原告の請求をいずれも棄却した。その理由の要旨は以下のとおりである。 乙1文献には、エルデカルシトールを骨粗鬆症治療薬として用いることが記載されている。骨粗鬆症は骨強度の低下により骨折リスクが増大する骨格疾患であり、本件優先日当時、骨粗鬆症において骨折が生じやすい部位として大腿骨や椎体と並んで橈骨(前腕部)が含まれることは技術常識であった。エルデカルシトールは活性型ビタミンD3誘導体として、ビタミンD受容体への作用による骨強度上昇及び転倒防止効果を有し、その作用機序は前腕部にも当然に妥当するものであった。したがって、乙1発明の骨粗鬆症治療薬には、前腕部骨折の予防・抑制という用途が当然に含まれており、本件発明が「前腕部骨折を抑制するため」と用途を限定した部分は乙1発明との相違点にはならない。原告が主張する顕著な効果についても、アルファカルシドールとのハザード比の比較のみでは、エルデカルシトール自体の前腕部骨折抑制効果の顕著性を認めることはできないとした。訂正発明についても、I型骨粗鬆症患者への限定や投与量の限定は乙1発明で想定されていた用途の範囲内であり、新規性欠如の無効理由は解消されないと判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。