AI概要
【事案の概要】 本件は、「一升パン」(上段)・「いっしょうパン」(下段)の二段書きからなる登録商標(第5839434号、指定商品:第30類「菓子、パン、サンドイッチ、中華まんじゅう、ハンバーガー、ピザ、ホットドッグ、ミートパイ」)について、原告が商標登録無効審判を請求したところ、特許庁が「請求は成り立たない」とする審決をしたため、原告がその取消しを求めた審決取消訴訟である。 被告(商標権者)は株式会社ポンパドゥルであり、原告は株式会社C・B・Hである。原告は、子供の1歳の誕生日に「一升餅」の代わりに約1.8kgのパンを用いる風習が平成26年頃から全国各地に広まっており、「一升パン」の語は商品の品質(約1.8kgのパン)又は用途(子供の1歳の誕生日のお祝い用パン)を表示するものにすぎないと主張した。 【争点】 1. 本件商標の商標法3条1項3号(品質等表示)該当性 2. 本件商標の商標法4条1項16号(品質誤認)該当性 【判旨】 裁判所は、いずれの取消事由も認めず、原告の請求を棄却した。 争点1について、裁判所は、「升」又は「一升」の語は米や日本酒等の容量を表す単位として用いられるものの、パンの数量を表す単位として一般に用いられるものではないと認定した。そのうえで、「一升パン」の語は、通常は組み合わされることのない「一升」と「パン」とが組み合わされてまとまりよく一体的に表された造語であるとみるのが相当であると判断した。取引者・需要者の範囲についても、指定商品であるパン等の製造業者・販売業者のほか広く一般消費者が含まれるとし、原告が主張する「一升パン」の取引者・需要者に限定すべきとの主張を退けた。平成26年頃から全国30店舗以上で「一升パン」が販売された実情は認めつつも、広い取引者・需要者の間において品質又は用途を表示する語として取引上普通に使用されているとまではいえないとした。 争点2について、裁判所は、本件商標は特定の商品の品質等を表示するものとはいえない以上、パン以外の指定商品に使用しても品質の誤認を生ずるおそれはないと判断した。