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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
令和1ワ297
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
奈良地方裁判所
裁判年月日
2022年5月31日
裁判官
寺本佳子藤﨑彩菜寺本佳子

AI概要

【事案の概要】 奈良県職員であった亡D(死亡時35歳)の両親である原告らが、亡Dの自殺は過重な業務に従事させられたことによるうつ病の発症・増悪が原因であるとして、奈良県に対し、国家賠償法1条1項又は民法415条(安全配慮義務違反)に基づき、各5103万5500円の損害賠償を求めた事案である。亡Dは平成17年に県職員として採用され、平成26年4月に教育委員会事務局教職員課給与係に配属された。同係では臨時職員の給与計算システムに関する業務等を担当したが、パソコン上のシステム操作に強い苦手意識があり、平成27年3月から4月にかけて月150時間超の時間外勤務に従事し、13日間の連続勤務(うち9日間は午後10時以降退庁)を行った結果、同年4月上旬にうつ病を発症した。平成28年4月に砂防・災害対策課に異動したが、異動後も月平均70時間超の恒常的な時間外勤務が続き、平成29年5月21日に自宅で縊首により自殺した。なお、地方公務員災害補償基金は亡Dの死亡を公務上の災害と認定している。 【争点】 (1) 亡Dの業務の過重性、(2) 業務の過重性とうつ病発症・自殺との因果関係、(3) 被告の安全配慮義務違反の有無、(4) 損害額、(5) 過失相殺・素因減額の可否。 【判旨】 裁判所は、教職員課における亡Dの業務は過重であったと認定した。月150時間超の時間外勤務は県が労使間で設定した月30時間の目標の約5倍に及び、亡Dの真面目で几帳面な性格やシステム操作への苦手意識は一般的な社会人として通常想定される個性を逸脱するものではないとした。砂防・災害対策課での業務についても、死亡前6か月間の月平均70時間超の時間外勤務が常態化しており過重であったと認めた。因果関係については、過重な業務による長時間勤務が強い心理的負荷となりうつ病を発症させ、異動後も長時間労働から解放されず増悪した結果自殺に至ったと認定した。安全配慮義務違反については、うつ病発症時点では被告に予見可能性があったとまではいえないとしたが、平成28年12月13日に産業医の面談指導等結果報告書を受領した時点で、亡Dが過重労働による抑うつ状態で治療中であることを認識したにもかかわらず、早期帰宅の呼びかけ等にとどまり、担当事務の変更や分担事務量の軽減等の実効的な措置を講じなかったことは安全配慮義務に違反すると判断した。被告の「平常勤務でよい」との産業医の記載を根拠とする予見可能性否定の主張に対しては、同記載が月平均70時間の時間外勤務を許容する趣旨とは解されないとして排斥した。過失相殺・素因減額の主張も、亡Dの性格は労働者の個性の多様さを逸脱するものではないとして退けた。損害額として死亡慰謝料2200万円、逸失利益5333万3219円等を認め、遺族補償年金等を損益相殺した上で、原告らに対し各3405万5766円の支払を命じた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。