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知財

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
令和1ワ12715
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2022年5月31日
裁判官
鈴木美智子稲垣雄大鈴木美智子

AI概要

【事案の概要】 ソフトウェアのテスト業務を専門に行う株式会社である原告が、元従業員である被告Aに対し、テスト設計書の電子ファイル(テスト業務で使用するひな型2件。以下「本件各ファイル」という。)を無断で持ち出して転職先である被告モリカトロンに持ち込み、同社の社内研修やテスト業務に使用されたと主張して、被告ら(被告A、被告モリカトロン、モノビットの訴訟承継人である被告monoAI technology)に対し、①不当利得返還請求、②入社時・退職時各誓約書違反を理由とする債務不履行に基づく損害賠償請求、③ノウハウ侵害を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求、④著作権侵害を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求、⑤不正競争防止法4条に基づく損害賠償請求の順で請求に順位を付けて、連帯して12万5136円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。被告Aは原告在職中にテスト設計書のひな型ファイルをチャットツール経由で持ち出し、転職先でこれを加工して社内研修資料を作成し、従業員7名が参加した研修で使用するとともに、委託を受けたテスト業務にも利用していた。 【争点】 主な争点は、(1)被告らが原告の財産又は労務によって不当利得を得たか、(2)本件各ファイルが入社時・退職時各誓約書の秘密保持義務の対象に該当するか、(3)退職時誓約書の競業避止条項の有効性、(4)本件各ファイルの利用がノウハウ侵害として不法行為に該当するか、(5)本件各ファイルが著作権法上の「著作物」に該当するか、(6)本件各ファイルが不正競争防止法上の「営業秘密」に該当するかである。 【判旨】 裁判所は、原告の請求をいずれも棄却した。不当利得については、本件ファイルがあれば原告講座と同等の研修を実施できるものではなく、被告らが原告の財産又は労務によって利益を得たとは認められないとした。誓約書違反については、本件各ファイルに秘密情報であることを示す表示やパスワード設定がなく、アクセス権限の限定もされずに社内共有フォルダに保存されていたこと、原告自身が取引先に営業資料として配布していたことから、秘匿性の高い情報には該当しないと判断した。競業避止条項については、テスト業務に関わるあらゆる活動を禁止する内容であり、テスト業務に長年従事してきた被告Aの職業選択の自由を過度に制約するものであって、代償措置も講じられていないことから、公序良俗に反し無効とした。著作物性については、テスト設計書は誰が制作してもある程度同じような表現方法を採用せざるを得ないものであり、シートの選択・配列はアイデアに過ぎず、レイアウトや文言の工夫もありふれたものであるとして、創作性を否定した。営業秘密該当性についても、秘密管理性が認められないとして否定した。ノウハウ侵害についても、著作物にも営業秘密にも該当しない本件各ファイルの利用行為は、自由競争の範囲を逸脱するものとはいえないとして、不法行為の成立を否定した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。