AI概要
【事案の概要】 送風機付き照明装置(シーリングファンライト)を製造販売する控訴人(1審原告・株式会社ドウシシャ)が、被控訴人(1審被告・スワン電器株式会社)に対し、被告商品の意匠が原告の意匠権に係る意匠に類似するとして意匠権侵害による差止め及び損害賠償(750万円)を求めるとともに、不正競争防止法2条1項3号(形態模倣)及び同項1号(周知商品等表示の混同惹起)に基づく請求を行った事案の控訴審である。原審(大阪地裁)は控訴人の請求をいずれも棄却し、控訴人が控訴した。 【争点】 (1) 原告意匠と被告意匠の類否(意匠権侵害の成否) (2) 被告商品による原告商品の形態模倣の有無(不競法2条1項3号) (3) 原告商品の形態の商品等表示該当性及び混同のおそれの有無(不競法2条1項1号) 【判旨】 控訴棄却。 (1) 意匠の類否について、当裁判所も原審の判断を維持した。両意匠は基本的構成態様においておおむね共通するものの、具体的構成態様における差異点がその共通点により生ずる美感を凌駕すると判断した。具体的には、円筒状中空本体の側面視の形状につき、原告意匠は円周部まで厚みがあり存在感を感じさせるのに対し、被告意匠は円周部に近づくにつれ薄くなりすっきりとした印象を与えるとし、ファンガードの形状(直線的か曲線的か)、側面の透光部の割合(約3分の1対約4分の3)、支柱体の直径の割合等の差異はいずれも微差とはいえないとした。控訴人は点灯時には差異が認識されにくくなると主張したが、需要者は常に点灯状態で看取するわけではないとして退けた。 (2) 不競法2条1項3号について、原告商品と被告商品の形態は実質的に同一とは認められず、形態模倣には該当しないとした。 (3) 不競法2条1項1号について、原告商品の3つの機能(天井ソケット直接差込み、回転ファン・ファンガード、角度調節機能)を組み合わせた形態についても、それぞれの機能を有する商品の通常有する形態との対比において特別顕著な特徴は認められないとして、商品等表示該当性を否定した。