損害賠償等、同反訴請求控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 一審原告が、一審被告DHCが制作し一審被告Aが司会を務めたテレビ番組(沖縄・高江のヘリパッド建設反対運動を取り上げた番組)により名誉を毀損されたとして、一審被告らに対し、共同不法行為に基づく損害賠償(慰謝料等1100万円)、番組の公表禁止・削除、謝罪文掲載を求めた事案(本訴)と、一審被告Aが、一審原告による記者会見での発言等が名誉毀損に当たるとして損害賠償2200万円を求めた事案(反訴)の控訴審である。原審は、一審被告DHCに対し550万円の損害賠償と謝罪文掲載を認容し、一審被告Aに対する本訴請求及び反訴請求をいずれも棄却したところ、三者がそれぞれ控訴した。 【争点】 (1) 本件番組による名誉毀損の成否及び摘示事実の内容、(2) 摘示事実の真実性、(3) 一審被告A(司会者)の共同不法行為責任の有無、(4) 一審原告の記者会見等における発言が一審被告Aに対する名誉毀損に当たるか、(5) 損害額の相当性。 【判旨】 控訴棄却(原判決維持)。 裁判所は、本件番組1について、一般視聴者の普通の注意と視聴の仕方を基準とすれば、ヘリパッド建設現場において警察官等の身体に殊更に危険性の高い暴力や犯罪行為を加えるような過激な反対運動が行われており、一審原告がこれを組織的に動員・煽動しているとの事実を摘示するものと認定した。その上で、一審原告が集会で呼びかけた抵抗方法は番組の摘示する暴力等とは異質であり、特派員派遣も16名にとどまることから、摘示事実の重要部分の真実性は認められないとして、一審被告DHCの名誉毀損責任を認め、550万円の損害賠償と謝罪文掲載を維持した。一審被告Aについては、収録時に各出演者の発言内容を具体的に把握しておらず、交通費5万円の拠出者を問いかけることが名誉毀損を招来すると認識し得たとはいえないとして、共同不法行為責任を否定した。反訴については、一審原告の抗議文や記者会見での発言は意見ないし論評の表明であり、その前提事実の重要部分は真実と認められるから違法性が阻却されるとして、請求を棄却した。