特許権侵害差止等請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 「自立式手動昇降スクリーン」に関する特許権(第4141864号)を有する原告(株式会社オーエス)が、被告(プラス株式会社)に対し、被告製品(プロジェクタースクリーン FSシリーズ)が本件特許の技術的範囲に属するとして、特許法100条1項に基づく製造・販売等の差止め、同条2項に基づく廃棄、106条に基づく謝罪広告の掲載、及び不法行為に基づく損害賠償約3億4320万円等の支払を求めた事案である。本件特許は、スクリーン左右のリンク機構にスライド部材を設け、左右のリンク機構の伸縮量を同一にすることで、スムーズかつ安定した昇降を実現する発明に関するものである。 【争点】 (1) 被告製品が本件各訂正後発明の技術的範囲に属するか (2) 作用効果不奏功の抗弁の成否 (3) 無効理由の有無 (4) 損害額 (5) 差止め・廃棄・謝罪広告の必要性 【判旨】 裁判所は、被告製品が本件各訂正後発明の技術的範囲に属すると認定した。構成要件Aについて、被告製品の水平板部とケース本体は一体であり「ベース部材」を構成し、端部キャップを介した間接的な取付けも「取り付け」に含まれると判断した。作用効果不奏功の抗弁については、本件発明は簡素な構成で課題を解決する発明であり、いかなる場合でも常に同一動作を保証するものではないとして排斥した。無効理由については、韓国公報の乙101発明はモータ駆動のスクリーンであり、手動昇降スクリーンのスライド部材とは目的・作用効果が異なるとして進歩性を肯定した。損害額については、特許法102条2項に基づき被告の限界利益約1億8449万円を基礎に2割の推定覆滅を認め、覆滅部分に同条3項(実施料率6%)を適用し、弁護士費用を加え、合計約1億7590万円の損害賠償を認容した。差止請求は認容したが、被告製品は既に全て廃棄済みのため廃棄請求は棄却し、謝罪広告請求も必要性なしとして棄却した。