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最高裁

原状回復等請求事件

判決データ

事件番号
令和3受342
事件名
原状回復等請求事件
裁判所
最高裁判所第二小法廷
裁判年月日
2022年6月17日
裁判種別・結果
判決・破棄自判
裁判官
菅野博之三浦守草野耕一
原審裁判所
仙台高等裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、平成23年3月11日の東北地方太平洋沖地震に伴う東京電力福島第一原子力発電所事故(本件事故)により、居住地が放射性物質で汚染されたと主張する被上告人ら(住民側)が、上告人(国)に対し、経済産業大臣が電気事業法40条に基づく規制権限を行使して津波による事故防止措置を東京電力に義務付けなかったことが違法であるとして、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償等を求めた事案である。地震調査研究推進本部地震調査委員会は平成14年7月、三陸沖から房総沖にかけての日本海溝寄りの領域で明治三陸地震と同様の津波地震が発生する可能性があるとする長期評価(本件長期評価)を公表していた。東京電力は平成20年、本件長期評価に基づく試算(本件試算)により、本件敷地南東側前面で最大海抜15.707mの津波が到来し得るとの結果を得ていたが、直ちに対策を講じなかった。原審は国の賠償責任を認容した。 【争点】 経済産業大臣が本件長期評価を前提に電気事業法40条の規制権限を行使していれば、本件事故又はこれと同様の事故が発生しなかったといえるか(規制権限不行使と事故との因果関係)。 【判旨】 最高裁第二小法廷は、原判決を破棄し、被上告人らの国に対する損害賠償請求を棄却した。多数意見は次のとおり判示した。本件事故以前の我が国における原子炉施設の津波対策は、防潮堤等の設置により敷地への海水浸入を防止することを基本としていた。仮に経済産業大臣が規制権限を行使していた場合、本件試算津波と同規模の津波による敷地浸水を防ぐ防潮堤等が設置された蓋然性が高い。しかし、実際の本件地震は津波マグニチュード9.1であり、本件長期評価が想定した8.2前後をはるかに超えるものであった。本件試算津波による主要建屋付近の浸水深は最大約2.6mであったのに対し、実際の浸水深は最大約5.5mに及んだ。本件試算津波に基づく防潮堤等は敷地南東側からの海水浸入防止に主眼を置いたものとなる可能性が高く、本件津波のように東側からも大量の海水が浸入することを防ぐものにはならなかった可能性が高い。したがって、経済産業大臣が規制権限を行使していれば本件事故が発生しなかったという関係を認めることはできない。 【補足意見】 菅野裁判官は、原子力発電は国策として推進されたものであり、本来は国が過失の有無に関係なく被害者救済の最大の責任を担うべきであるとしつつも、国家賠償法上の判断としては、本件地震が余りに大きく、本件長期評価を前提に行動しても事故回避は困難であったとした。草野裁判官は、本件長期評価が想定する規模の地震であった場合の「構成的因果関係」を検討し、各号機の外部電源や電気設備類の状況を詳細に分析した結果、本件仮定の下でも本件事故と同様の事故発生に至った蓋然性は認められないとした。三浦裁判官は反対意見として、経済産業大臣は遅くとも平成15年7月頃までに技術基準適合命令を発すべきであり、防潮堤等の設置に加え水密化等の多重的防護措置が講じられた蓋然性が高く、それにより本件事故は回避できたとして、国の賠償責任を肯定すべきとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。