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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和2行ケ10143
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2022年6月23日
裁判官
大鷹一郎小川卓逸大鷹一郎

AI概要

【事案の概要】 被告が特許権者である「塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルム及びその製造方法」に関する特許(特許第6100034号)について、原告が請求項1に係る特許の無効審判(無効2020-800001号)を請求したところ、特許庁が「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決をしたため、原告がその取消しを求めた審決取消訴訟である。本件発明は、塩化ビニリデン系樹脂ラップフィルムにおいて、TD方向の引裂強度、MD方向の引張弾性率及び低温結晶化開始温度を特定の数値範囲に制御することにより、フィルム切断刃によるカット性を維持しつつ、巻回体からのフィルム引き出し時等の裂けトラブルを低減することを課題とするものである。原告は、サポート要件違反(取消事由1)、実施可能要件違反(取消事由2)及び手続違背(取消事由3)を主張した。 【争点】 1. サポート要件違反の有無(取消事由1) 2. 実施可能要件違反の有無(取消事由2) 3. 手続違背の有無(取消事由3) 【判旨】 知的財産高等裁判所は、原告の請求を棄却した。 取消事由1(サポート要件)について、裁判所は、本件明細書の記載から、引裂強度・引張弾性率・低温結晶化開始温度の3個のパラメータが課題解決のための直接的な発明特定事項であり、残り4個のパラメータはより好ましいラップフィルムを得るためのものであると認定した。そして、実施例の記載に加え、各パラメータの技術的意義に関する明細書の記載から、当業者は数値範囲全体にわたり課題を解決できると認識できるとして、サポート要件に適合するとした審決の判断に誤りはないとした。 取消事由2(実施可能要件)について、裁判所は、明細書の「軽荷重引裂試験機(東洋精機製)を使用し、JIS-P-8116記載の方法に準拠して測定した」との記載は、実際の測定に使用する試験機の取扱説明書に従い、同説明書に記載のない事項についてJIS規格に従ったことを述べたものと解するのが自然であり、測定方法は一義的に定まるとした。また、低温結晶化開始温度についても、モデル実験の条件等の記載から過度の試行錯誤なく製造可能であるとして、実施可能要件に適合するとした審決の判断に誤りはないとした。 取消事由3(手続違背)について、裁判所は、書面審尋に際し審理事項通知書に準ずる通知をしなければならないとする法令上の規定はなく、原告は回答書提出期限の延長を認められていること、被告回答書に対する反論が必要であれば審理再開の申立てが可能であったがこれをしていないこと等から、審理不尽の違法はないとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。