AI概要
【事案の概要】 コンビニエンスストアのフランチャイザーである原告(セブン-イレブン・ジャパン)が、フランチャイジーである被告との間で締結したフランチャイズ契約(加盟店基本契約)を解除したことに関する紛争である。原告は、被告が経営する大阪府東大阪市所在の店舗(セブン-イレブンA店)における異常な顧客対応及びツイッターでの原告に対する誹謗中傷を理由に契約を解除したとして、建物の引渡し、約定の損害賠償金約1450万円及び建物占有による損害賠償を求めた(第1事件)。被告は、契約解除は無効であると主張して契約上の地位の確認を求めるとともに、原告の取引拒絶が独占禁止法上の優越的地位の濫用に当たるとして侵害停止請求等を行い、また原告の債務不履行による損害賠償を求めた(第2事件)。なお、被告は2024時間営業の見直し(時短営業)を求めて社会的注目を集めたオーナーであり、本件は契約解除が時短営業への意趣返しか否かも争われた。 【争点】 (1) 被告の顧客対応が契約上の解除事由に該当するか (2) 原被告間の信頼関係が破壊されたといえるか (3) 被告が催告に応じたといえるか (4) 無催告解除の有効性 (5) 原告による解除が権利濫用又は優越的地位の濫用に当たるか (6) 約定損害賠償金の額及び建物占有による損害額 (7) 被告に独占禁止法24条に基づく請求権があるか (8) 原告の債務不履行による被告の損害額 【判旨】 裁判所は、原告の第1事件の請求を概ね認容し、被告の第2事件の請求をいずれも棄却した。 争点1につき、被告の接客対応は、利用客に対する乱暴な言動や有形力の行使を含み、通常の接客対応の範囲を超え、原告が重視するフレンドリーサービスを逸脱し、ブランドイメージを低下させるものであるとして、契約上の解除事由に該当すると判断した。また、被告のツイッター投稿についても、原告を誹謗中傷し社会的信用を低下させる内容であり、解除事由に当たるとした。 争点2につき、被告は原告から継続的に接客改善を求められたにもかかわらず、自らの非を認めず利用客に責任転嫁し、接客対応を改めなかったことから、信頼関係は破壊されたと認定した。 争点3につき、被告は催告期間中に誓約書を差し入れたものの、従前の接客対応の問題点を認めず、記者会見で事実に反する説明をするなど、破壊された信頼関係を回復する措置からかけ離れた対応をしたとして、催告に応じなかったと判断した。 争点5につき、原告は時短営業を容認する方向に転じていたが被告がこれに応じなかった経緯から、契約解除は時短営業への意趣返しとはいえず、権利濫用にも優越的地位の濫用にも当たらないとした。 以上から、催告解除は有効であり、被告に建物引渡し、賠償金1450万8024円及び1日当たり11万0321円の損害賠償の支払を命じた。