AI概要
【事案の概要】 デンマーク製キッチン用品ブランド「SCANPAN」の日本国内正規代理店である原告が、被告に対し、著作権(複製権及び送信可能化権)侵害に基づく損害賠償を求めた事案である。被告は、Yahoo!ショッピング上でオンラインストアを運営しており、遅くとも令和3年3月4日頃までに、原告がウェブ制作会社に委託して制作させたフライパンの商品紹介画像(商品画像にイメージ画像や説明文等を組み合わせたもの)を無断で複製し、自らのストアに取扱商品の紹介画像として掲載した。原告は被告に対し、著作権法114条3項に基づく損害賠償金6万6666円及び遅延損害金の支払を求めた。 【争点】 1. 本件画像の著作物性及び原告の著作権の有無 2. 被告の故意又は過失の有無 3. 原告の損害額 【判旨】 裁判所は、一部認容・一部棄却の判決を下した。 争点1について、本件画像は、商品の優れた特徴を消費者に訴求する目的の下に、商品画像に加え、使用した料理や製造工程等のイメージ画像及び説明文等を組み合わせて制作されたものであり、商品に係る思想を創作的に表現したものとして著作物性を有すると認めた。また、原告がウェブ制作会社との委託契約に基づき検収完了時に著作権の譲渡を受けたことを認定し、原告が本件画像の著作権を有すると判断した。 争点2について、被告はコンサルタント提供のツールにより自動的に画像が掲載されたと主張したが、裁判所は、第三者から画像の提供を受けた者には著作権の帰属や利用許諾の有無を調査確認すべき注意義務があると指摘した。原告ウェブサイトには著作権に関する警告文が掲示されており、インターネット上の画像検索等により著作権の帰属は比較的容易に確認できたとして、被告には少なくとも過失があると認めた。 争点3について、被告による利用期間が比較的短期間にとどまること、本件画像は商品の特徴をわかりやすくする工夫が凝らされている一方、画像自体を第三者にライセンスする目的で制作されたものではないこと等を総合考慮し、著作権法114条3項に基づく損害額を5万円と認定した。原告が主張した報道機関等の画像利用料との比較は、レンタル・販売目的で作成された画像素材と本件画像では市場価値が異なるとして採用せず、売上減少に基づく損害についても因果関係の立証がないとして退けた。