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知財

特許権侵害差止等請求事件

判決データ

事件番号
令和1ワ13477
事件名
特許権侵害差止等請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2022年6月24日

AI概要

【事案の概要】 本件は、発明の名称を「図柄表示媒体」とする特許(特許第6440319号)の特許権者である原告(プロのマジシャン)が、被告(印刷物等の製造・販売会社である株式会社SO-KEN)に対し、被告が製造・販売する「フラッシュプリント」と称する図柄表示媒体(被告製品1)及びそのメディア(被告製品2)が本件特許権を侵害すると主張して、製造等の差止め及び廃棄、並びに損害賠償金192万3900円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。 本件発明は、入射光をそのまま光源方向へ再帰反射する黒色の再帰反射材と、その表面に印刷により形成された図柄からなる透光性の印刷層とを備えた図柄表示媒体に関するものであり、通常の照明下では図柄を視認できないが、フラッシュ光等の強い光を照射すると図柄が視認可能となるという効果を有する。被告製品1は、黒色の再帰反射材の上に、透光性印刷層と非透光性印刷層(白色インクの上に透光性インクを重ねたもの)をストライプ状に交互に配置した構成を有し、通常光下と再帰反射時とで異なる図柄が視認されるギミックを実現するものであった。 【争点】 主な争点は、(1)被告が被告製品2を製造・販売等しているか、(2)被告製品1が「透光性の印刷層」(構成要件B)を有するか、(3)本件特許が無効にされるべきものか(公然実施による新規性欠如及び乙A4発明に基づく進歩性欠如)、(4)原告の損害額であった。 【判旨】 裁判所は、原告の請求をいずれも棄却した。 争点1について、被告製品2の製造・販売等を裏付ける客観的証拠がないとして原告の主張を排斥した。 争点2(構成要件充足性)について、被告製品1はストライプ状ではあるものの再帰反射材の表面に透光性印刷層を備えており、構成要件Bを充足すると認定した。被告が主張する「透光性の印刷層」の限定解釈(通常光下で視認できないものに限る)については、特許請求の範囲に文言上そのような限定はなく、明細書の記載からも透光性印刷層が通常光下で一定程度図柄を視認可能であるものを含むことが前提とされているとして退けた。非透光性印刷層の存在は本件発明にない構成の付加にすぎず、構成要件充足性を左右しないとした。 しかし、争点3-2(進歩性)について、乙A4文献にはグラフィック広告用の黒色の再帰反射材が開示され、かつ溶剤インクジェット印刷に適合する旨が明記されているところ、インクジェット印刷により透光性の印刷層を形成することは一般的な技術常識であり、どのような図柄を印刷するかは当業者が適宜なし得る事項であるとして、本件発明は乙A4発明に基づき容易に想到し得たものと判断した。原告が主張した阻害要因(乙A4発明は車両用ステッカー用途であり図柄を視認可能にする技術思想は開示されていない等)についても、乙A4文献自体に「graphic」の用語が用いられていること、車両に図柄を印刷する実例が広く存在すること等を指摘して排斥した。以上から、本件特許は特許法29条2項に違反し無効にされるべきものであるとして、原告は権利行使できないと結論付けた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。